2024年5月8日

メルマガを始める前に必要な5つのステップとツールの選び方

この記事を読むのに必要な時間は約 8 分です。

メルマガは、顧客と定期的なコミュニケーションやアプローチに効果的なマーケティング手法です。

BtoBやBtoCを問わず、多くの企業がメルマガ施策を実施していますが、
「メルマガを始めたいけれど、何から始めればよいかわからない」
「準備することが多そうでハードルが高い…」
といったお悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、メルマガを始めるための5つのステップをご紹介いたします。

ステップ①メルマガの目的を明確にする

まずは「なぜメルマガを始めるのか」という目的を明確にします。

メルマガの目的としては、主に以下のようなものが挙げられます。

・商品やサービスの認知拡大、販売促進
・セミナーやイベントの集客
・見込顧客との接点を増やす
・既存顧客との関係強化

目的が曖昧なまま運用を始めると、メルマガの内容がブレてしまったり、効果測定によるPDCAを回しにくくなってしまいます。

目的を明確にすることで、おのずと配信内容やターゲットも定まります。

ステップ②メルマガの運用方法を決める

目的が明確になったら、その目的に合わせてメルマガの運用方法を決めていきます。

具体的には、次の項目を決める必要があります。

メルマガの担当部署/担当者

メルマガの作成・配信を担当するチームや担当者を決めます。

メルマガの運用は、一人でなくてはいけない/複数人でなければいけないということはありませんので、自社に合った運用方法を選択しましょう。例えば、メルマガ担当のチームを設定し、その中で担当者をローテーションするという方法もあります。

ただし、メルマガは個人情報を扱う業務のため、むやみに担当者を増やすことはおすすめしません。

配信ターゲット

メルマガの目的が明確になると、おのずと配信するターゲットも定まってきます。

例えば、「セミナーの集客」が目的であれば、見込顧客と既存顧客の両方がメルマガの配信対象になりますが、「既存顧客との関係強化」が目的であれば、既存顧客のみが配信対象となるでしょう。

また、「過去にセミナーに参加した人」や「無料トライアルに申し込んだ人」など、より細かくセグメント分けをすることもできます。

配信頻度

「1か月に何回メルマガを配信するか」といった頻度と、「何曜日の何時にメルマガを配信するか」といったタイミングを設定しましょう。

配信頻度は「毎日」「週1回」「月1回」「不定期」などがありますが、最適な頻度は一概には言えません。配信内容や、目的、ターゲットに合わせて適切な配信頻度を見極めることが大切です。

配信頻度が高いと、それだけ顧客とのコミュニケーションの機会が増えますが、ネタ切れを起こしやすかったり、読者に飽きられてしまう可能性が高まります。

反対に、配信頻度が低いと、1回のメルマガの内容を充実させることができますが、顧客と接触する機会が減るため、読者の印象に残りにくかったり、成果が出にくくなることもあります。

最初は社内のリソースに負担がかからない程度の低頻度から始め、効果測定をしながら配信頻度を調整をしていくのがおすすめです。配信頻度が高くても、似たような内容ばかりだったり、内容が薄ければ意味がありません。配信頻度を決める際には、「読者にとって有益な情報を提供できるか」という点を重視するのがよいでしょう。

配信するタイミング

メルマガを配信するタイミングも、ターゲットにあわせて最適なものを選択します。

例えば、BtoBのメルマガは土日よりも平日のほうが開封されやすく、BtoCのメルマガは昼間よりも夜が開封されやすいと言えます。さらに、業種によっても適切な配信タイミングは異なるでしょう。

配信タイミングは開封率に大きく影響するため、まずは開封されやすい曜日や時間帯を仮定して配信し、読者の反応や開封率を見ながら調整していくのが効果的です。

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ステップ③配信ツールを選定する

メルマガの運用方法を決めたら、次はメルマガを配信するツールを選びます。

配信ツールを使わずに、普段の業務で使用しているメーラーでBCC配信することもできますが、BCCでのメルマガ配信には以下のようなデメリットがあるためおすすめはできません。トラブルなく効率的にメルマガを配信するためには、専用のツールを導入するのがよいでしょう。

・アドレスを誤ってCCに入れてしまうなど、人的ミスによる個人情報漏えいのリスクが高まる
・配信リストの管理が煩雑になる
・迷惑メールとみなされやすい
・通常業務のメールと混同しやすい
・開封率やクリック率などの効果測定ができない

メルマガ配信用のシステムやツールにはさまざまな種類があります。ツールによって機能が異なるため、次のような観点から、自社の目的や予算感に合ったツールを見つけることが重要です。

目的に合った機能がそろっているか

もっとも重要なのが、自社の目的に合った機能が備わっているかという点です。

例えば、顧客に対して定期的にフォローアップメールを配信したい場合は、ステップメール機能が搭載されているツールが適していますし、アドレスを条件ごとに分類してメールを配信したい場合は、セグメント配信機能が搭載されているツールが適していると言えます。

メルマガ配信ツールにはさまざまな機能があるため、機能の有無やオプションの有無などを必ず確認するようにしましょう。

操作が簡単かどうか

メールの作成や配信、リストの設定、効果測定などの操作が簡単にできるかどうかも重要なポイントです。操作が複雑なツールは作業負担を増やし、メルマガ配信の効率を低下させる可能性があります。

無料トライアルとして一定期間無料で利用できるツールもあるため、まずは使いやすさや機能を試してみてから本格的に導入するのもよいでしょう。

到達率が高いか

どんなによいメルマガを作成しても、読者のもとに届かなければ効果がありません。

メールは大量に配信すると、処理に時間がかかり遅延や不達が発生してしまうことがあるため、ツールの処理速度や到達率が十分かどうか確認しておきましょう。

効果測定機能が充実しているか

メルマガは配信して終わりではなく、どれくらい読まれているか、読者の反応はどうだったか、といった効果測定をすることが重要です。

メールの開封率、クリック率、解除率など、集計や分析機能が充実しているツールを選ぶようにしましょう。ツールによっては、データが自動でグラフ化されたり、より詳細なデータを計測できるものもあります。

セキュリティ面が安全か

メルマガ配信ツールは、アドレスなどの個人情報を取り扱うため、セキュリティが非常に重要です。信頼できる企業が提供しているツールかどうか、セキュリティ対策が十分かどうかもチェックしておきましょう。

そのツールの導入企業や実績なども、選定時の一つの指標となります。

サポート体制が充実しているか

システムに不具合が発生したり、操作に不明点があった際に、しっかりとサポートしてくれるかという点もチェックしておきましょう。

運営会社によって、「電話相談可」「メールによる問い合わせのみ」などさまざまですので、事前に確認し、サポート体制が整っているツールを選択すると安心です。

ステップ④配信リストを用意する

メルマガを配信するためのリストを用意します。リストを作成するには、主に二つの方法があります。

・既存の顧客リストを使用する
・フォームを使って新規のリストを集める

既存の顧客リストを持っている場合は、そのリストを活用することで、ゼロからメルマガ配信用のリストを作成しなくても、既存のデータベースをメルマガ配信ツールの仕様に合わせて整えればすぐにメルマガを配信することができます。既存顧客向けの情報やフォローアップなども、このリストを使って行うことができます。

また、より多くの読者に情報を発信するためには、既存リストの活用と並行して、新規のリストを集める必要があります。新規のリストを集める方法としては、自社のWebサイトにメルマガ登録用フォームを設置する方法や、サイト上での資料請求やお問い合わせ時にメルマガ配信の同意を得る方法などがあります。

ただし、リストを集める際に気を付けたいのが、メルマガの配信について相手から同意(オプトイン)を得ることです。これは、「特定電子メール法」という迷惑メールを規制するための法律で定められています。

そのため、同意を得ていないアドレスには勝手にメルマガを送ることがないようにし、資料請求やお問い合わせなどのフォームにおいても、入力したアドレス宛にメルマガが配信されることを必ず明記するようにしてください。なお、すでに取引関係のある顧客については、オプトイン規制の例外となります。

ステップ⑤メルマガのテンプレートを作成する

メルマガは毎回異なる内容を配信するものですが、デザインやフォーマットなどの基本的なテンプレートは事前に作成しておくとスムーズです。一度テンプレートを作成しておけば、その後はテンプレートに沿ってテキストや画像を入れていけばよいので、効率的にメルマガを作成することができます。

メルマガの形式は、「テキストメール」と「HTMLメール」の二種類があります。

テキストメールは通常のメールと同様に文字だけで構成されており、どのようなメールソフトでも正しく表示されやすいというメリットがありますが、デザインに制限があったり、開封率などの数値が取れないというデメリットがあります。

一方、HTMLメールは、文字や背景に装飾をつけることができ、画像やボタンを追加したり、効果測定を行えるというメリットがありますが、テキストメールに比べて容量が重くなったり、メールソフトによっては正しく表示されない可能性があるというデメリットがあります。

まとめ

今回は、メルマガを始めるための流れをご紹介しました。

いきなり本格的に導入しようとしなくても、まずは自社に合った運用方法でスタートし、読者の反応を見ながら少しずつ調整していくのも一つの方法です。

メルマガはステップを押さえれば手軽に始めることができますが、個人情報を扱う業務のため、ミスが起こると会社全体の信用にもかかわります。情報漏えいや特定電子メール法に注意しながら、運用していきましょう。

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