2016年6月13日

月刊誌の作り方とは?制作に必要な6つの工程

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月刊誌制作の流れとは

出版業界や印刷業界以外の業界にいれば、月刊誌を作る機会はあまりないかもしれません。

しかし、商業誌を作ることはなくとも、広報誌や機関誌などの月刊誌であれば、携わる機会はあるかもしれません。

もしあなたが会社の広報誌の編集に任命されたら、どのような流れで制作を進めていけば良いのでしょうか?

基本的に、週刊誌や月刊誌など定期的に発行される雑誌、機関誌や広報誌を作る場合は、企画から印刷までに決まった流れがあります。

(※商業誌の場合は印刷後の取次〜書店に並ぶまでの流れを含みます。)

そこで今回は、商業誌や広報誌を例に月刊誌制作の流れを6つの工程に分けてご紹介したいと思います。

参考:もうキョドらない!現場でよく使う印刷・デザイン用語

月刊誌制作の流れ1.企画立案(編集会議/企画会議)

まずは企画立案です。時期としては、商業誌であれば発売の約2ヵ月前になります。

特集記事やサブ特集、連載記事の内容、その他の掲載内容について会議を行います。

このような会議は、編集会議や企画会議と言われています。

また月刊誌の場合は特集記事が一番大きな議題になります。

出版社の場合、会社によって違います。編集担当者がネタを持ち寄ることもあれば、担当者が当番制で回ってくることもあります。

一般の商業誌ではあまりないと思いますが、トップダウンで決まったりすることもあります。

企業の広報誌であれば基本は広報部が中心となり、マーケティング部や宣伝部などとの連携も必要になってくるでしょう。

月刊誌制作の流れ2.原稿作成

編集会議で企画が決定したら、編集者のコントロールのもと原稿を作成していきます。

ここでいう原稿とはテキストだけでなく写真や表・図版も含みます。誌面に必要な材料全てです。

テキスト原稿は、自社で書く場合と外部ライターに依頼する場合があります。

商業誌では、取材や写真撮影、図版作成なども含めて編プロ(編集プロダクション)にまるごと委託することも多いようです。

機関誌の場合は、団体・協会内部の職員や理事が書くことも珍しくありません。

この時点で原稿の推敲は終えておき、次の「校閲」以降は「てにをは」程度の修正と事実確認を残すのみ…というくらいにしておくのが理想ですが、そうはいかないことも多々あります。

また、写真撮影はカメラマンを動員して行います。

図版作成は、グラフであれば元となるデータを集めて作成し、引用・改変するのであれば、作成元に許諾を得ます。

このような原稿作成の一連の流れは、編集者が全体指揮を行うのが一般的ですが、ライターが担うこともあります。

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月刊誌制作の流れ3.校閲

校閲では、事実関係を確認したり、文脈・文意が正しいものになっているかを確認したりします。

後述の校正のタイミングで一緒に行われることもありますが、会社や記事によります。

事実かどうかの検証が、重要な意味をもつ記事であれば(たとえば歴史や法律などの専門分野)、記事の掲載そのものにも関わる場合があるので校閲の役割は大きくなります。

校閲は基本編集者か、校閲専任スタッフが行います。

出版社や新聞社では校閲記者という専門職がいます。校閲部がある出版社もあります。(新潮社の校閲部が一時話題になったこともありましたね…。)

校閲をライター自身が行うことはほとんどありません。もちろん校閲時に不明点やおかしな箇所があればライターに差し戻し、確認や訂正を求めます。

月刊誌制作の流れ4.デザイン・組版

組版とは原稿の指定にしたがって、文字や図などをページに配置する作業のことです。

この作業は、出版社が自社デザイナーを使う場合、編プロにまるごと任せている場合、印刷会社やデザイン事務所に発注する場合などがあります。

記事によっても作業内容が変わります。

特集の場合は、毎回新しいデザインを起こしますが、連載記事の場合は、同じ体裁を流用しワンポイントだけ変更したり「No.001」のように連載回数をカウントしたりします。

原稿作成の時点で用意した図版が、たとえばエクセルで作っただけの無味乾燥なものだった場合には、もちろん誌面イメージに合うように作り直したりもします。

月刊誌制作の流れ5.校正

原稿に間違いが無いかのチェック(誤字脱字・表記統一・主語述語のねじれ・表現の誤用など)と、4の作業工程でミスが無いかのチェック(テキストのコピペミス、文字化け、図版の配置ミスなど)を確認します。

初校・再校…と繰り返し、修正がなくなった時点で校了となります。

(校正が終了したことを略して、校了と言います。)

編集者が中心となって行い、デザインを頼んでいる相手とやりとりをして進めます。

月刊誌制作の流れ6.印刷・製本

印刷と製本は最後の工程です。

基本的に印刷も製本も印刷会社で行います。

商業誌の場合は、印刷後は取次を通じて書店に配本されます。

広報誌や機関誌であれば、クライアントの要望に併せて配送先へ送付することになります。

月刊誌制作の流れ まとめ

雑誌制作の全体の流れを把握しておけば、各工程の遅れなどもカバーしやすくなります。

雑誌の制作は、企画から印刷まで関わる人や会社も多く、スケジュール調整や人員配置、取材先の選定など、ディレクションも大変です。

出版社であれば、編集部だけでなく、広告やマーケティング、営業や制作などの関連部署との連携も必要です。

また、納期(発売日)が決まっているため、校了日の遅れは許されません。

月刊誌ではこの作業を毎月ルーティーンで行っています。連載ものならともかく、特集となると毎回読者の読みたい企画を考えるのも苦労します。

また印刷物は、Webのようにすぐに修正・訂正ができず、ちょっとした誤字や間違いが多方面に迷惑を掛けてしまうこともあります。

スピーディーであると同時に慎重に進行していく必要があります。

今度月刊誌を購入したときは、企画〜校了までの流れを想像してみると面白いかもしれませんね。

今回は一般的な月刊誌の制作をご紹介しましたが、広報誌、機関誌においてもおおまかな流れは一緒です。

参考:社内報の作り方とは?6つの制作工程を解説します!

ぜひ参考にしてみてください。

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