2026年8月6日
広報誌・社内報で避けたいレイアウトとは?読みやすい誌面デザインの基本
目次 ▼
この記事を読むのに必要な時間は約 8 分です。
広報誌や機関誌、社内報などの誌面づくりでは、デザインの美しさだけでなく「読者が自然に読めるレイアウト」になっているかが重要です。
どれだけ内容が充実していても、視線の流れが考慮されていないレイアウトでは、読みにくさを感じたり、重要な情報が読み飛ばされたりすることがあります。
本記事では、誌面レイアウトの基本となる視線の動きとともに、編集担当者が知っておきたい「避けたいレイアウト」と改善のポイントをご紹介します。

レイアウトとは?
レイアウトとは、文字・写真・図表・余白などをどのように配置するかを設計することです。誌面レイアウトは、単に見た目を整えるだけでなく、読者が情報を理解しやすくするための重要な要素です。
特に広報誌や機関誌、社内報では、視線の流れを意識して誌面を設計することで、読者が最後までストレスなく読み進められる誌面になります。
▼誌面設計の基本やレイアウトに関する用語については、以下の記事で詳しくご紹介しています。
読者の視線はどのように動く?
誌面レイアウトを考えるうえでは、まず読者の視線の動きを理解することが大切です。
代表的な視線の動きには、「グーテンベルク・ダイヤグラム」「Zの法則・Nの法則」「Fの法則」があります。
1.グーテンベルク・ダイヤグラム

グーテンベルク・ダイヤグラムは、視線の流れを「左上」「右上」「左下」「右下」の4つの領域で表した考え方です。
情報量が均等な誌面では、視線は「左上」から始まり、「右上」や「左下」を経由して、最終的に「右下」へと移動します。
この法則は、印刷物のように情報が均等に配置された誌面で当てはまりやすく、特に「右上」と「左下」は視線が留まりにくいとされています。そのため、重要な情報はできるだけ目に留まりやすい位置に配置するのが効果的です。
2. Zの法則・Nの法則

Zの法則は、横書きの誌面やWebサイトで多く見られる視線の動きです。視線は左上から右上で進み、その後、斜めに左下へ移動し、最後に右下へと向かいます。
一方、Nの法則は、縦書きの誌面で多く見られる視線の動きです。文字組みに合わせて自然に視線が動くため、縦組みの広報誌や機関誌では、こちらを意識するとよいでしょう。
3. Fの法則

Fの法則は、視線がアルファベットの「F」を描くように移動するパターンです。Webサイトや目次など、法則性があり縦長でシンプルなレイアウトでよく見られます。
情報の取捨選択や流し読みがしやすい反面、ページ下部へ進むにつれて読者の注目度が下がる傾向があるため、重要な情報は上部に配置することがポイントです。

【本文編】避けたほうがよいレイアウト
1.飛び降り
「飛び降り」とは、読者の視線の流れに逆らい、文章の続きを右下方向へ移動させてしまうレイアウトです。
横書きの文章では、一般的に視線は左から右へ進み、行を読み終えると次の段の左上へ自然に移動します。また、途中に画像や囲み記事が配置されている場合や、一番下の行まで到達した場合でも、視線は次の段の左上へと動くのが一般的です。
しかし、以下のように画像や図表の配置によって文章の続きが右下へ移動すると、視線の動きと合わず読者は違和感を覚え、読みづらさを感じてしまいます。
このような場合には、次の段の位置を調整し、視線が右上へ向かうようにするとよいでしょう。

縦書きの場合も同様に、次の段へ移動する際、視線が左下ではなく右下へ向かうように配置することで、自然な視線の動きになります。

2.飛び越し
「飛び越し」とは、文章が画像や囲み記事をまたいで続くレイアウトのことです。このような配置では、読者が文章の続きを見失ったり、誤読を招く可能性があります。
写真や図表、囲み記事などは、本文の流れを妨げない位置に配置し、視線がスムーズにつながるようにすることが重要です。


3.両流れ
「両流れ」とは、二つの文章が同じ段から始まり、どちらも次の段へ続いているように見えるレイアウトです。
例えば、下図のようなケースでは、ⒶとⒷの両方がⒸに続く可能性があり、「どの文章がどこへ続くのか」がわかりにくくなってしまいます。このような場合は、間に入る見出しの位置を調整し、段の配置を変更する必要があるでしょう。

4.泣き別れ
「泣き別れ」とは、文章が段をまたぐ際に、段末が句点(。)や改行で終わっている状態です。
このレイアウトでは、段と段のつながりがわかりにくいことに加え、一見すると上段で文章が終わったようにも見えてしまうため、次の段が見落とされる可能性が高まります。
そのため、段の切り替わりでは、文章を段の途中でつなげたり、文字数を調整したりして、文章が続いていることがわかるようにしましょう。

【見出し編】避けたほうがよいレイアウト
見出しの配置が適切でないと、誌面のバランスが崩れる原因になります。以下のような見出しのレイアウトは、避けるのが望ましいでしょう。
1.エントツ(見出しの直列)
「エントツ」とは、縦組みの誌面において、見出しが縦一直線に並び、煙突のように見える状態を指します。
このレイアウトは、それぞれの見出しが目立ちにくくなるだけでなく、誌面が縦に分断されたような印象を与えてしまうため、避けたほうがよいでしょう。見出しの位置を少しずらすだけでも、誌面全体のバランスは大きく改善されます。

2.横並び(見出しの並列)
「横並び」とは、縦組みの誌面において、同じ段に同じ大きさの見出しが並んでいる状態のことを指します。また、横組みの誌面において、見出しが横一列に並んでいる状態のことを指す場合もあります。
いずれの場合も、見出しが目立ちにくくなるだけでなく、誌面全体が単調な印象になってしまいます。写真や本文とのバランスを考えながら見出しの位置に変化を付けることで、メリハリのある誌面になるでしょう。


読みやすい誌面レイアウトを作るために意識したい5つのポイント
ここまでは避けたい誌面レイアウトの例をご紹介しました。広報誌や機関誌、社内報などでは、単に情報を掲載するだけでなく、読者が自然な流れで読み進められるように、写真・図表・見出しなどを適切に配置することが重要です。
ここからは、読みやすい誌面レイアウトやデザインを作るために、意識したい5つのポイントをご紹介します。
1.視線の流れを意識して情報を配置する
誌面レイアウトでは、読者の視線がどのように動くかを考えて情報を配置することが大切です。
先述のとおり、横書きの誌面では「Zの法則」、縦書きの誌面では「Nの法則」のように、文字の向きやレイアウトに応じた視線の流れがあります。見出しや写真、重要な情報は、視線が集まりやすい位置に配置することで、読者に内容を伝えやすくなります。
また、文章の続きがわかりにくくなる「飛び降り」や「飛び越し」などが発生していないか確認することも重要です。
2.写真・図表は文章の流れを妨げない位置に配置する
写真やイラスト、図表などのビジュアル要素は、誌面をわかりやすくする重要な要素です。一方で、配置によっては文章の流れを分断し、読みにくさにつながる場合があります。
例えば、本文の途中に大きな写真を配置すると、文章の続きが見つけにくくなったり、別の情報へ視線が移ってしまったりすることがあります。
写真や図表を配置する際は、「この位置に置くことで読み手の視線が自然につながるか」を意識しましょう。
3.見出しの配置にメリハリを付ける
見出しは、誌面の内容を整理し、読者がスムーズに読み進めるための重要な要素です。
しかし、同じ大きさ・同じ位置に見出しが並んでいると、どの情報が重要なのかわかりにくくなり、誌面全体が単調な印象になってしまいます。
見出しの大きさや位置、余白の取り方に変化を付けることで、情報の優先順位が伝わりやすくなります。
また、先述した「エントツ」や「横並び」のように、見出し同士が直列になっていないかも確認しましょう。
4.余白を活用して情報を整理する
誌面に多くの情報を掲載したいからといって、文字や写真を詰め込みすぎると、圧迫感が生まれ、読みづらい印象になってしまいます。
余白は「何もないスペース」ではなく、情報を整理し、重要な要素を引き立たせるためのデザイン要素の一つです。適度な余白を設けることで、情報のまとまりが明確になり、視線もスムーズに移動しやすくなります。
文字量や写真の大きさとのバランスを考えながら、読みやすい誌面設計を行いましょう。
▼大きな余白が空いてしまった場合は、「埋め草」を活用するのも有効です。以下の記事では、効果的な余白の埋め方についてご紹介しています。
5.完成後は全体を俯瞰的にチェックする
誌面レイアウトが完成したら、実際に読み手の視点で全体を確認することが大切です。
確認する際は、以下のポイントをチェックしましょう。
- 視線が自然に次の情報へ移動できるか
- 文章の続きがわかりにくい箇所はないか
- 見出しや写真が情報の流れを妨げていないか
- 重要な情報が適切に目立っているか
また、第三者に確認してもらうことで、自分では気付かなかった読みづらさを発見できる場合があります。
▼誌面づくりでは、他媒体を参考にするのも有効です。以下の記事では、誌面のアイデア探しに役立つ参考サイトをご紹介しています。
まとめ
誌面レイアウトは、読者の読みやすさを大きく左右する重要な要素です。
今回ご紹介した「飛び降り」「飛び越し」「両流れ」「泣き別れ」「エントツ」「横並び」は、必ずしも絶対に避けるべきレイアウトではありません。
しかし、読者の視線を妨げたり、情報が伝わりにくくなったりする可能性があるため、できるだけ避けるのが望ましいです。やむを得ない場合は、段組みや画像の配置、文章量などを調整し、読者の視線を自然に誘導できるように工夫しましょう。
誌面が完成したら、一度読者の立場になって最初から最後まで読み返し、視線が自然に流れるかを確認してみましょう。わずかなレイアウトの調整だけでも、広報誌や機関誌、社内報の読みやすさは大きく向上します。





