2024年4月5日
知らないとまずい!? 避けたほうがよい誌面レイアウトとは
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目次 ▼
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誌面のデザインやレイアウトを考える際、重要なポイントの一つに「読者の視線の動き」が挙げられます。読者の視線がどのように移動するのかを理解することで、重要な部分を読者の目に留まりやすくしたり、ストレスのない視線の流れを誘導することができます。
反対に、読者の視線の動きに合っていないレイアウトを行うと、読みづらさを感じたり、読み飛ばされたりする可能性があります。
そこで今回は、代表的な視線の動き方と、避けたほうがよい誌面レイアウトについてご紹介いたします。
代表的な視線の動き方
視線の動きを表す代表的なパターンには、「グーテンベルク・ダイヤグラム」「Zの法則・Nの法則」「Fの法則」があります。
①グーテンベルク・ダイヤグラム
![グーテンベルク・ダイヤグラム](https://kagurazaka-editors.jp/wp-content/uploads/2024/04/e25089380fda1ccbcf31b5b8343d0cf3-1024x513.jpg)
グーテンベルク・ダイヤグラムとは、視線の動きを「左上」「右上」「左下」「右下」という4つの領域に分類して表した考え方です。
4つの領域の情報強度が均一である場合、視線はまず「左上」から始まり、「右上」「左下」をチラッと見る程度で通り過ぎ、最終的に「右下」にたどり着くという順番で動きます。
この法則は、コンテンツが均一にレイアウトされることの多い印刷物に当てはまりやすく、休閑領域である右上や左下は読み飛ばされてしまったり見落とされてしまう可能性があるため、注意が必要です。
② Zの法則・Nの法則
![Zの法則・Nの法則](https://kagurazaka-editors.jp/wp-content/uploads/2024/04/ZN-1024x466.jpg)
Zの法則とは、視線がアルファベットの「Z」の形に沿って移動する視線パターンのことです。主に横書きの場合やWebサイトに多い視線の動きで、グーテンベルク・ダイヤグラムと同様にまず左上から始まり、Zの形を書くように右下へ向かっていきます。
Nの法則は、視線がアルファベットの「N」の形に沿って移動する視線パターンで、主に縦書きの場合や紙媒体で見られる動きです。
③ Fの法則
![Fの法則](https://kagurazaka-editors.jp/wp-content/uploads/2024/04/ca3f72f8f9c712ccf6ea13d9ddbe8e3a-1024x453.jpg)
Fの法則とは、視線がアルファベットの「F」の形に沿って移動する視線パターンのことです。
Fの法則に基づいたデザインは、Webサイトや目次など、法則性のある縦長でシンプルなレイアウトに適しています。情報の取捨選択や流し読みに適していますが、下に行けば行くほど離脱率が上がるため、注意が必要です。
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【本文編】避けたほうがよいレイアウト
①飛び降り
先述のとおり、横書きの場合、人の視線は左から右へと進み、改行がある場合にはアルファベットの「Z」のように左上から右下へと移動します。そして、途中で画像や囲み記事があったり、一番下の行まで到達した際には、視線は右の段の左上へと動くのが一般的です。
「飛び降り」とは、この一般的な視線の流れに逆らい、画像や囲み記事のレイアウトによって文章の続きが右下に配置されることを指します。このような場合には、視線が移動する先の段の位置を工夫し、視線の動きが右上に向かうように配置するとよいでしょう。
![飛び降り_横書き](https://kagurazaka-editors.jp/wp-content/uploads/2024/04/2a831ec055ed4fee4e1d0936ea40500d-1024x526.jpg)
縦書きの場合も同様に、次の段へ移動する際、視線が左下ではなく右下へ向かうように配置することで、自然な視線の動きになります。
![飛び降り_縦書き](https://kagurazaka-editors.jp/wp-content/uploads/2024/04/ee3be1d100caf1aa771552d59c2bd436-1024x523.jpg)
②飛び越し
「飛び越し」とは、文章が画像や囲み記事などをまたぐレイアウトを指します。このような配置では、読者が文章の続きを見失ったり、誤読を招く可能性があります。
写真や囲み記事などは、文章の流れを遮る位置に配置しないよう配慮しましょう。
![飛び越し_横書き](https://kagurazaka-editors.jp/wp-content/uploads/2024/04/5f63f49b6b7d98988e1002a4a4f2d6d5-1024x527.jpg)
![飛び越し_縦書き](https://kagurazaka-editors.jp/wp-content/uploads/2024/04/04f86ea9c104d100d663feb8a9a65769-1024x528.jpg)
③両流れ
「両流れ」とは、同じ段から始まった二つの文章が、どちらも次の段に続く可能性があることを指します。
例えば下図の場合、ⒶとⒷの両方がⒸに続く可能性があり、段と段とのつながりがわからなくなってしまいます。このような場合は、間に入る見出しの位置を変えたり、段の配置を変更する必要があるでしょう。
![両流れ](https://kagurazaka-editors.jp/wp-content/uploads/2024/04/51dc3f9aa437034773e1d5f921269531-1024x528.jpg)
④泣き別れ
「泣き別れ」とは、一つの文章が段をまたぐ際、段末が改行や句点(。)で終わっていることを指します。
両流れと同様に、段と段とのつながりがわかりにくく、誤読を招く恐れがあることに加え、上段で文が完結しているようにも見えるため、次の段が見落とされる可能性もあります。
段が切り替わる際には、文章が続いていることがわかるように、改行や句点(。)で終わらせず、文章の途中で区切るなど、文字数の調整が必要です。
![泣き別れ](https://kagurazaka-editors.jp/wp-content/uploads/2024/04/00f3973395c5eb69b89e59b53868be93-1024x528.jpg)
【見出し編】避けたほうがよいレイアウト
見出しにおいては、誤読や見落としを招くわけではありませんが、誌面のバランスが崩れる原因になるため避けたほうがよいとされているレイアウトがあります。
①エントツ(見出しの直列)
「エントツ」とは、縦組みの誌面において、見出しが縦に並んでいる状態を指します。見出しを直列に並べることで、煙突のように縦に長い一つの見出しのように見えてしまい、個々の見出しが目立たなくなってしまいます。
さらに、見出しによって誌面が縦に分断されているような印象を与え、誌面のバランスが崩れる原因にもなるため、避けたほうがよいでしょう。
![エントツ_見出し](https://kagurazaka-editors.jp/wp-content/uploads/2024/04/2839ab849d9b2c81bd86f4778e9767e3-1024x525.jpg)
②横並び(見出しの並列)
「横並び」とは、縦組みの誌面において、同じ段に同じ大きさの見出しが並んでいる状態のことを指します。また、横組みの誌面において、見出しが横に並んでいる状態のことを指す場合もあります。
どちらの場合も、見出しが目立ちにくくなるだけでなく誌面が単調な印象になってしまうため、テキストや画像の位置を調整し、見出しの位置が並列にならないようにするとよいでしょう。
![横並び_見出し](https://kagurazaka-editors.jp/wp-content/uploads/2024/04/7d2a8a5d380f463388d1c8d4512bef57-1024x478.jpg)
まとめ
今回は、避けたほうがよいレイアウトのパターンをご紹介しました。
どのレイアウトも絶対にNGというわけではありませんが、視線の動きに合わないレイアウトはなるべく避けるようにし、やむを得ない場合は段や画像の配置、文章量などを調整するとよいでしょう。
誌面レイアウトが完成したら、一度視線の流れを意識しながら初めから終わりまで読み、全体を俯瞰して視線の動きを確認することが大切です。
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