2023年10月23日
有料でも使いたい、おすすめの和文フォントブランド17選
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明朝体やゴシック体など、ふだんさまざまな場面で使用しているフォント。フォントというと無料のイメージがありますが、すべてのフォントが無料で使えるわけではありません。
例えば、WindowsやMacなど、PCには初めからさまざまなフォントが標準搭載されており自由に使うことができますが、これらのフォントはオペレーティングシステム(OS)の一部として提供されており、OSの利用料の中にフォントの利用料も含まれています。つまり、PCに標準搭載されているフォントも実際には無料ではないのです。
有料フォントと無料フォントはどう違う?
フォントには無料のものと有料のものがありますが、以下の記事でご紹介したように、最近ではクオリティの高いフリーフォントも多数リリースされています。
有料フォントに引けを取らない品質の無料フォントも増えてきていますが、有料フォントと無料フォントとでは、商用利用の可否や対応している文字数など、使用範囲や利用制限に違いがあるケースが多いと言えます。
そのため、刊行物やWebサイトなど、法人としてフォントを利用する場合には、有料フォントの使用を視野に入れてもいいかもしれません。
また、有料フォントにはサブスクリプションタイプと買い切りタイプがあり、用途や利用期間などにあった形式を選ぶことができます。
そこで今回は有料でもぜひ使いたい、おすすめのフォントブランドをご紹介いたします。
おすすめの和文フォントブランド
モリサワ
モリサワフォントは、大手フォントメーカーである株式会社モリサワが提供しているフォントです。最も有名なフォントブランドと言っても過言ではなく、デザインや印刷業界ではかなり多くの会社が利用しています。
UD(ユニバーサルデザイン)フォントも充実しており、さまざまな用途に使いやすい、誰にとっても読みやすくて美しいフォントが多数揃っています。
参考:株式会社モリサワ
フォントワークス
フォントワークスも日本の大手フォントメーカーです。トメやハネに特徴があり、ベーシックながらインパクトのあるフォントを多数取り扱っています。
中でも代表的なのが「筑紫書体シリーズ」で、読みやすさがありつつも美しさや高級感のある書体です。
参考:フォントワークス株式会社
砧書体制作所
砧書体制作所は、書体設計家の片岡朗氏が制作し、光伸プランニングが運営しているフォントメーカーです。
「丸明朝体シリーズ」をはじめ、線の細さと曲線が特徴的で、美しさと温かみを感じるフォントが多数揃っています。
参考:砧書体制作所
デザインシグナル
デザインシグナルでは、グラフィック・書体デザイナーの七種泰史氏が作成したフォントを販売しています。デザインフォントを中心に取り扱っており、どこか懐かしくノスタルジーを感じさせるフォントが多いのが特徴です。
フォント名には「ホタル」「ゆたんぽ」「そよ風」など雰囲気にあわせた名前がつけられており、2023年10月現在で54書体が販売されています。
参考:デザインシグナル
SCREEN
株式会社SCREENはiPhoneやiPadなどのApple製品でも使用されている「ヒラギノフォント」を作成しているフォントメーカーです。「ヒラギノフォントシリーズ」はオーソドックスな雰囲気を保ちつつ明るく現代的なデザインが特徴です。
ヒラギノフォントはMacでは標準搭載されていますが、Windowsで使用する場合は別途購入する必要があります。
参考:株式会社SCREEN
イワタ書体
イワタ書体は、金属活字の製造販売、写真植字、デジタルフォントなど大正時代から長きにわたり文字を扱い続けてきた株式会社イワタが作成しているフォントブランドです。
イワタの代表的なフォントである「イワタミンゴ」は、明朝体のシャープさとゴシック体の強さを兼ね備えたすっきりと読みやすいフォントで、2015年にはグッドデザイン賞を受賞しています。
参考:株式会社イワタ
ダイナフォント
ダイナフォントはダイナコムウェア株式会社が確立したフォントブランドです。
ダイナフォントは文字そのものの美しさを保ちつつも組版の統一性や整合性を考慮し、視認性・可読性が高いのが特徴で、ベーシックなフォントから独創的なデザインフォントまで、幅広いラインナップが揃っています。
参考:ダイナコムウェア株式会社
白舟書体
白舟書体は筆文字が特徴的なフォントブランドです。筆文字といえば白舟書体と言えるほど、力強くレトロな筆文字が数多く取り扱われています。
一部無料でダウンロードできるフォントもあります。
参考: 株式会社白舟書体
昭和書体
昭和書体も筆文字が有名なフォントブランドです。毛筆フォントの制作・販売を専門にしています。
揮毫職人が一文字一文字書き綴った毛筆諸本をデジタル化しているため、かすれやにじみが忠実に再現されているのが特徴です。
参考:株式会社昭和書体
RICOH
Windows PCなどのMicrosoft製品で標準搭載されているMS明朝やMSゴシックは、実はRICOHが作成したフォントです。
その後RICOHは販売権をMicrosoft社に譲渡していますが、RICOHではMSフォントに相当するフォントを取り扱っています。
NIS Font
NIS Font(ニィスフォント)は、1983年にアメリカ製のCGソフトを日本語表示するために開発されたフォントです。
ユニークで芸術性の高いフォントを多数取り扱っており、ゲームやアニメなどのエンタメにおいても広く利用されています。
参考:NIS Font
モトヤフォント
モトヤフォントは大正11年創業の老舗フォントブランドで、可読性と美しさを両立させたデザインが特徴です。
印刷業界で使われることの多いモトヤフォントですが、最近ではデジタルフォントを中心にGoogleマップなどの地図サービス、日経新聞や産経新聞といった新聞社、ゲームソフトやアプリなどさまざまな媒体で利用されています。
参考:モトヤフォント
TypeProject
Type Projectは、「AXIS」という雑誌制作のために開発された「AXIS Font」で有名なフォントメーカーです。
AXIS Fontはシンプルなデザインでウエイトが豊富なことに加え、白地が活きる字面率が設定されており、すっきりと読みやすい誌面デザインができるのが特徴です。
参考:Type Project
タカ書体
タカ書体はタイプ作家の高原新一氏が作成したフォントシリーズです。「手書き風の味わいと温もり」をテーマに70種類のデザインフォントを取り扱っています。
へん、つくりに大小のバランスを持たせた、ユニークで可愛らしいフォントが多いのが特徴です。
参考:タカ書体
Design筆文字Font
Design筆文字Fontはその名のとおり主に筆文字フォントを取り扱っています。
力強い毛筆フォントからカリグラフィー風のものなどさまざまなラインナップがあり、中でも万葉がな独自の雰囲気を行書体に調和させた「万葉シリーズ」が人気です。
TYPE C4
TYPE C4は、明朝体やゴシック体の概念にとわられない汎用ゴシック系基本書体を中心としたフォントブランドです。
ユニバーサルデザインデザインに基づいた、判読性・可読性の高いフォントが揃っています。
参考:TYPE C4
日本書技研究所
日本書技研究所は、日本で初めて年賀状作成フォントやペン字フォントを作成したフォントメーカーです。
中でも代表的なのが、国内唯一の賞状専用書体である「白洲賞状書体」で、単なる毛筆楷書体ではなく、賞状独特の書風が再現されています。
参考:日本書技研究所
まとめ
今回は、おすすめの和文フォントブランドをご紹介いたしました。
ご紹介したのは全体のほんの一部ではありますが、「モリサワ」「ヒラギノ」「筑紫」などは聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?
有料のフォントブランドは品質が高く、サポートが充実していたり、利用範囲が広いものが多いです。フォントにこだわることで、デザインの印象も大きく異なります。ぜひ参考にしてみてください。