2025年10月10日

適切な句読点の使い方とは?読みやすさを上げる16のポイント

この記事を読むのに必要な時間は約 7 分です。

句読点とは

句読点(くとうてん)とは、文の区切りや終わりを示すために用いる記号のことです。
「。」を句点、「、」を読点と呼びます。

 句点「。」・・・文の末尾に打ち、文章の終わりを示す
 読点「、」・・・文の途中に打ち、語句や文節の切れ目を示す

なお、論文などでは、句点の代わりに「.(ピリオド)」、読点の代わりに「,(カンマ)」を使用する場合もあります。

句読点は、文の構造や流れをわかりやすくする重要な役割を担っています。適切に使うことで、文章の読みやすさと理解度の向上が期待できます。一方で、使い方が不適切だと文章のリズムが崩れて読みにくくなるだけでなく、意味の区切りが曖昧になって誤読を招くおそれもあります。

今回は、句読点の正しい使い方と、文章をより読みやすくするためのポイントをご紹介します。

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句点の使い方:6つのポイント

1.句点は文の終わりに打つ

まずは最も基本的な使い方ですが、句点「。」は文の終わりに使用します。
ただし、文末が感嘆符「!」や疑問符「?」で終わる場合は、それ自体が文の終わりを示しているため、その後に句点を打つ必要はありません。

(例)×ありがとうございます!
   〇ありがとうございます!

2.「」の末尾には句点を打たない

会話文や引用文などで、かぎ括弧「 」を使う場合、文の末尾に句点を付けないのが基本です。

(例) ×新入社員が「今日からよろしくお願いします」と言った。
    ○新入社員が「今日からよろしくお願いします」と言った。

ただし、「」内に複数の文が含まれる場合は、各文の区切りに句点を使います。

(例) 新入社員が「おはようございます今日からよろしくお願いします」と言った。

3.( )の末尾には句点を打たない

文中で丸括弧( )を使う場合も、かぎ括弧と同様に末尾には句点を使用しません。

(例) ×詳しくはマニュアル(2023年11月に改訂しました)を確認してください。
    〇詳しくはマニュアル(2023年11月に改訂しました)を確認してください。

ただし、こちらも( )内に複数の文が含まれる場合は、各文の区切りに句点を打ちます。

(例)詳しくはマニュアル(2023年11月に改訂しました共有フォルダに格納済みです)を確認してください。

4.注釈として文末に( )を使う場合は、( )の後ろに句点を打つ

文末で補足や注釈として丸括弧( )を使う場合は、括弧の後ろに句点を打ちます。

(例) ×平日は10時~17時まで対応しています(祝日は除く)
    ○平日は10時~17時まで対応しています(祝日は除く)

5.著者名や出典として文末に( )を使う場合は、( )の前に句点を打つ

( )内が著者名や出典を表す場合には、括弧の前に句点を打ちます。

(例) 天才とは1%のひらめきと、99%の努力である(トーマス・エジソン)
    吾輩は猫である。名前はまだ無い(夏目漱石著『吾輩は猫である』)

6.タイトルや見出し、箇条書きには句点を打たない

タイトルや見出しでは、文末であっても句点を使用しないのが一般的です。ただし、デザイン上の理由や強調のために、あえて句点を付ける場合もあります。

(例) ×今後の進め方について

また、箇条書きも基本的には句点を使用しません。各項目が独立した文章になっている場合を除き、通常は句点を省略します。

(例) ×・たまねぎ
     ・にんじん
     ・じゃがいも

読点の使い方:7つのポイント

1.長い主語や目的語の後ろに読点を打つ

主語や目的語が長い場合は、その直後に読点を打ちましょう。主語・目的語の範囲や、文節のまとまりが明確になり、読み手が理解しやすくなります。

(例) 私が1番好きな食べ物はステーキです。(主語)
    棚の1番奥にある大きなお皿を2枚持ってきてください。(目的語)

一方で、主語や目的語が短い場合に読点を入れると、かえって文の流れを妨げてしまうことがあります。

(例) ×委員長が話し始めた。
    ○委員長が話し始めた。

    ×写真を撮ってもいいですか。
    ○写真を撮ってもいいですか。

2.接続詞や接続助詞の後ろに読点を打つ

接続詞や接続助詞の直後に読点を打つと、文脈の流れや意味の変化がわかりやすくなります。

(例) しかし彼は怒らなかった。(接続詞)
    もっと勉強していれば合格できたはずだ。(接続助詞)

3.漢字やひらがなが続くときに読点を打つ

文中で漢字やひらがなが連続すると読みづらくなるため、適宜読点を入れて区切りを明確にしましょう。

(例) ×基本毎年私の家では正月をハワイで過ごす。
    ○基本毎年私の家では正月をハワイで過ごす。

また、以下のような場合では、読点を入れないと「着物」なのか「履物」なのか、意味を取り違えるおそれがあります。単語の切れ目に読点を打つことで、誤読の防止にもつながります。

(例) ×ここではきものを脱いでください。
    ○ここではきものを脱いでください。

4.語句を並列するときに読点を打つ

語句を二つ以上並べるときは、それぞれの語句の間に読点を打ちましょう。各要素が並列であることが強調され、情報が明確に伝わります。

(例)明日のピクニックには、弁当水筒レジャーシートを持って行こう。

5.修飾語と被修飾語を明確にするために読点を打つ

読点の位置によって、文の意味が変わってしまうことがあります。
例えば、以下の文章の場合、読点の位置によって「音楽を聴いている」のが「私」なのか「友達」なのか変わってしまいます。

(例)×私は音楽を聴きながら勉強している友達に話しかけた。
   ○私は音楽を聴きながら勉強している友達に話しかけた。
   ○私は音楽を聴きながら勉強している友達に話しかけた。

文が長くなればなるほど、修飾語と被修飾語の関係は複雑になります。読点を使って、修飾語がどの語句にかかっているかを明確にしましょう。

6.重文や複文の区切りで読点を打つ

述語が一つの文を「単文」、単文が二つある文を「重文」、二つ以上ある文を「複文」と言います。重文や複文のように、一つの文中に複数の述語が存在する場合は、文の切れ目を明確にするために読点を打ちましょう。

(例)×私の趣味はキャンプでバーベキューをしたり焚き火をしたりするのが好きです。
   ○私の趣味はキャンプでバーベキューをしたり焚き火をしたりするのが好きです。

   ×私はギターを弾き彼女はフルートを吹いた。
   ○私はギターを弾き彼女はフルートを吹いた。

7.「」の前後には読点を打たない

かぎ括弧「」の前後には、基本的に読点を付けません。かぎ括弧そのものが文の切れ目を明確に表しているためです。

(例)×担当者は「明日確認します」と言った。
   ○担当者は「明日確認します」と言った。

句読点の使い方に迷ったときは?

1. 長すぎる文章は句点で適度に区切る

読点を使って文の区切りを明確にするのも有効ですが、文章が長すぎる場合は、まず句点で一文を短くすることを意識しましょう。一文が長いと冗長な印象を与えるだけでなく、文の構造が把握しづらくなり、理解度も下がってしまいます。

(例)×最近、人手が少なく困っているのでアルバイトを募集しているが、なかなか良い人材も集まらないので、結局一人でお店を切り盛りしている。
   ○最近、人手が少なく困っているのでアルバイトを募集している。しかし、なかなか良い人材が集まらないので、結局一人でお店を切り盛りしている。

2.読点を多用しすぎない

読点は文の区切りを明確にし、文のリズムを整える役割を持ちますが、多用しすぎると逆効果になります。読点が多いとテンポが悪くなり、かえって読みづらい印象を与えます。

(例)×私は、毎朝、出社したら、まずは、コーヒーを入れて、花に、水をやるのが、日課です。
   ○ 私は毎朝出社したら、まずはコーヒーを入れて、花に水をやるのが日課です。

また、文が長くなると自然と読点が増える傾向があるため、先述のように一文を短くすることも効果的です。

3.息継ぎするタイミングで読点を打つ

どこに読点を入れるか迷ったときは、実際に文章を声に出して読んでみてください。息継ぎしたくなる箇所に読点を入れると、自然なリズムで読みやすい文章になります。

まとめ

今回は、句読点の使い方についてご紹介しました。

句読点は、文章の読みやすさや理解度を左右する重要な要素です。「読者にとって読みやすいか」「誤読のおそれがないか」を意識しながら、今回ご紹介したポイントを参考にしてみてください。

さらに、句読点の工夫に加えて、漢字とひらがなの使い分け、箇条書き・見出しの活用などにも気を配ることで、より伝わりやすい文章が作れます。

以下の記事もあわせて参考にしながら、わかりやすく魅力的な文章を目指しましょう。

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