2015年9月24日
明日現場で使ってみるか…定量的と定性的の意味と具体例
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現場で使う「定量的」「定性的」の意味とは
あなたは、打ち合わせの現場や社内において、定量的、定性的という言葉を聞いたことはありますか?
「この問題は定量的に分析をかけていかないと、見通しが立たないよ」
「ひとまずデータが揃うまでは、お前の感覚で定性的に答えを推測しろ」
このように使うのですが、いまいち意味がわからずに使っている方も多いと思います。
私たちは、子どもの頃に「大人は勉強しないから、羨ましいなぁ」と思ったものです。が、そんなのは幻想でした。大人になると、より勉強をしないと仕事ができません。
というわけで、ビジネスシーンによく登場するこの「定量的」「定性的」という言葉は一体どのような意味なのでしょうか。簡単にご説明します。
定量的とは
対象の状態を連続する数値の変化に着目してとらえること。
簡単に言うと、物事を数値化して、具体的に捉えることを言います。
つまり、将来の夢を定量的に表現してみて、と言われたら、「10年後に年収2,000万円で、多摩あたりの東京郊外に50坪2階建ての一軒家を構え、現在の会社の営業部長職を担っていることです。そのためにやるべきことは……」と続くわけです。
定性的とは
対象の状態を不連続な性質の変化に着目してとらえること。
こちらも簡単に言うと、物事を事象として、抽象的に捉えることを言います。
つまり、将来の夢を定性的に表現してみて、と言われたら、「東京郊外で一軒家を構え、出世して良い役職に就くことです」となります。根拠は特に問題ではありません。
定量的と定性的を具体的に使うために
定量的と定性的が、具体的と抽象的だということは何となくわかったと思いますが、もしビジネスの現場でこれを使う場合はどのように使うと良いのでしょうか。
実は、具体的、抽象的とはちょっとだけ違う使い方というものがあります。
それは数字です。
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上司「これから我が社で行うこのプロジェクトが、どれ位の規模になるか調査してくれ。」
部下「分かりました。ではまず、情報収集して、おおよその規模感を定性的に調査して、承認を得てから次のステップに移ります。期間の指定がなければ、週明けにご報告いたします。」
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上司「◯◯君、先週依頼したプロジェクトの規模感だが、どれ位だろうか。」
部下「こちらのプロジェクトですが、定性的に調査しましたところ、まず、10万個ほどの製品の生産が必要になります。原材料と工場の稼働コストが必要です。候補としては3社ほどありますが、まだ具体的な見積りは出てきていません。また製品に対して、プロモーションコストがかかります。手法はチラシ、屋外看板、雑誌広告などが考えられます。恐らく、1周間で5,000万円ほどかけると、20代~30代女性の半数にはリーチできるのではないかと思います。」
上司「わかった。では、我が社の月次売上を1億円と設定して、利益効果が最大になるプロモーション継続期間とコスト感を定量的に算出してくれ。」
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部下「定量的に調査しましたところ、まず、10万個の製品の生産はすべて外注をすることで、概算で2,000万円ほどになります。3社ともほぼ同じコスト感でしたので、発注するための別要素が必要になります。プロモーションコストは、チラシ10万枚に折込費用を加えて1,000万円、屋外看板を渋谷近辺で10か所2,000万円、雑誌広告に5誌で1,000万円ほどかかります。認知度を高めるために、雑誌、屋外看板、折込チラシの順で、それぞれを連動させる方法が良いと思います。方法としては、3つ考えられ~~」
と、定量的、定性的を使って、このようなやり取りが行われるわけです。
ビジネスシーンでは定性的を定量的に変えなければいけない
定性的とは、全体的な物事の見方をし、ある程度のざっくりとした雰囲気や感覚的な予測を立てるときに使う言葉です。
そして、定量的は定性的とセットで使います。定性的と言われたら、次は定量的が使われます。
つまり、「◯◯をどう予測するか?」と問われたら、まずある程度ざっくりした予測をしますが、その後に「じゃあ、その根拠は?」と言われた場合、多くが数字を使って、根拠説明をするはずです。
「◯◯を定性的にどう予測するか?」
「じゃあ、定量的にその根拠は?」
ということです。
これは、ビジネスシーンにおいて、問題解決をするための基本的な流れになります。
まず「問題」が存在し、それを「定性的」に考えます。情報収集や分析を行って、少しずつ「定量的」な状態に変えていきます。より具体的に、「定量的」な表現ができれば、「問題」は解決されます。
ビジネスシーンにはさまざまな問題があり、それをさまざまなマーケティング分析を用いて、定量的に解決していきます。
問題を解決するためのマーケティング手法、フレームワークには、3C分析、SWOT分析、STP分析などがあります。
これらのマーケティング手法に関しては、また別にお伝えしていきます。