2016年9月9日

いまさら聞けない校正用語と校正ルール

印刷

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校正用語を覚えておくと、やり取りがスムーズに

印刷工程において、校正はとても重要な作業です。

校正とは、原稿とゲラ(校正刷り)を対照して、誤字や脱字などの誤りをチェックし、修正指示する作業です。

参考:
イラストで解説!校正記号31種類の使い方

校正をおろそかにし、ミスに気づかないまま印刷することで、大きな損害をもたらしてしまうこともあります。

誤字・脱字の見つけ方については、以前もご紹介していますが、今回は印刷会社とのやり取りをスムーズに進めるための校正用語の解説、校正のルールをご紹介します。

参考:
印刷後はヤバイ…校正で誤字脱字の誤植を見つける7つの方法

校正用語

早速、校正用語について解説していきます。まずは以前の記事でもご紹介した用語から説明しましょう。

素読み

素読み(すよみ)とは、原稿の意味・内容を考えずに音読することです。

校正に回された原稿を使って、文章内の言葉、流れ、句読点などがおかしくないかを確認することです。

参考:

もうキョドらない!現場でよく使う印刷・デザイン用語

突き合わせ(付け合わせ)

突き合わせとは、校正の際に一字ずつ文字を確認することです。

元原稿とデザイン原稿を一字ずつ突き合わせて校正を行う方法です。前校正の直しが入った原稿であれば、前校正前の原稿と突き合わせを行います。

参考:
もうキョドらない!現場でよく使う印刷・デザイン用語

読み合わせ

読み合わせとは、校正者が二人一組になり、一人が原稿を読み上げ、もう一人が原稿をチェックすることです。

1人が原稿を読み上げ、もう1人がチェックという2人体制で、印刷前のデザインを最終チェックすることです。2度、3度繰り返したり、3人で行うこともあります。

参考:
もうキョドらない!現場でよく使う印刷・デザイン用語

朱字(朱書き)

朱字(あかじ)とは、校正の際の訂正書きのことです。

原稿や校正で印刷された紙に、赤ペンで修正指示を書き込むことを言います。読み方はあかじです。

参考:
もうキョドらない!現場でよく使う印刷・デザイン用語

校正紙

校正するために試し印刷したもの。また、その用紙のことを指します。

校正刷り

校正刷りとは、本刷り前に校正をするための刷り物のことを言います。ゲラ刷りやゲラ、プルーフとも言われています。

初稿(しょこう)

初稿とは、一番最初の原稿のことです。

ちなみに、「初稿」と「初校」はまったく別の意味になります。

初校(しょこう)

読みは同じですが意味は全く違います。初校とは1回目のゲラ(校正刷り)のことです。1回目の色校正を指す場合もあります。

作成したデータと仕上がった印刷物の最終的な色味をチェックして、認識ズレをなくす校正のことを色校正と言います。

参考:
印刷会社が必ず色校正を行う3つの理由

初校を校正することを「初校校正」といい、朱入れしたものを現場に戻すことを「初校戻し」といいます。

再校

再校(さいこう)とは初校に次ぐ2回目のゲラ(校正刷り)を、初校の修正を行ったゲラと突き合わせ、初校の修正が正確に行われているか、修正漏れや見落としがないかを確認する作業です。

二校(にこう)ともいいます。

三校

三校(さんこう)とは3回目のゲラ(校正刷り)を、再校紙(2回目のゲラ)と突き合わせ、修正が正確に行われているか確認する作業のことです。

もちろん回数はこれ以上に及ぶこともあり、四校、五校……と続きますが、基本は三校まで。

印刷会社の見積りによく見られる「校正(3回まで)」とあるのはこの三校までのことを指します。

校了

校了(こうりょう)とは、校正終了の略です。

校正が終了したことを略して、校了と言います。

参考:
もうキョドらない!現場でよく使う印刷・デザイン用語

念校

念校(ねんこう)とは、校了の直前に、もう一度念のため行う校正また、その校正刷りのことを言います。

三校のことを念校という場合もあります。

責了

責了(せきりょう)とは、「責任校了」の略で、修正個所が少なく、原稿をこれ以上確認しなくてもよいと判断した場合などに、印刷所側が責任をもって校了にすることです。

校了に対して、あなたの責任で校了してください、という意味で使われます

参考:
もうキョドらない!現場でよく使う印刷・デザイン用語

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校正ルール〜間違いやすい語彙や表現、注意点など〜

続いては、校正を何度も繰り返さないための誤字・脱字以外のミスについて、ちょっとした注意事項をご紹介します。

漢字の閉じ開き

漢字の閉じ開きとは、漢字にするかひらがなにするかのこと。

文章に漢字が多すぎると読みづらくなる場合があります。

敢えてひらがなにすることで、可読性を高めます。

例)
後で→あとで
致します→いたします

漢字の閉じ開きについては、文章内で統一する必要があるため、あらかじめルールを決めておくと良いでしょう。

可読性とは、読みやすさの度合いを示しており、文字として認識できるかどうかのことです。

参考:
文章の読みやすさを決める可読性、視認性、判読性とは

差別的表現をしていないか

一般的な差別用語の他にも気をつけるべき表記があります。

例えば「しょうがい」という言葉を使うとき、「障害」「障碍」「障がい」、どちらを表記すれば良いのでしょうか?

ここ数年、「害」の持つ「そこなうこと。悪くすること。」という意味が差別的だとの見解から、「障がい」もしく「障碍」と表記するパターンがよく見られます。

他にも「子供」を「子ども」にする場合も見られましたが、こちらは文科省より問題ないという見解が出ています。

 「子ども」と「子供」、書き方としてはどちらになじみがあるだろうか。ここ数年、差別助長を防ぐため「障害者」の表記を「障がい者」に見直す動きが広がっているが、実は「子供」も「差別的な印象を与える」として長らく敬遠されてきた。

参考:
全文表示 | 「子ども」は「子供」で統一します 文科省「差別表現でない」と公文書で使用 : J-CASTニュース

どの表記を使うのか、こちらも表記の統一ルールを決めておきましょう。

常用漢字外の使用は避ける

常用漢字とは、日常生活において現代日本語を書き表す場合に使用する目安として日本政府より選定された漢字のことです。

あくまで目安のため、常用漢字外の漢字を使うな、というわけではないのですが、読めない人もいるため、あまり使わないほうがベターです。

参考:
文化庁 | 国語施策・日本語教育 | 国語施策情報 | 内閣告示・内閣訓令 | 常用漢字表(平成22年内閣告示第2号)

いまさら聞けない校正用語と校正ルール まとめ

ご紹介した内容以外にも、英数字は全角か半角か、どちらを使用するべきなのか…など統一すべき表記はあります。

また数字については、漢数字が間違えやすいです。

縦書きの場合は漢数字を用いますが、番地や電話番号などに使用される漢数字は一般的に十を省くのがマナーと言われています。

(中略)

ただし、年月日については、西暦が二◯一六年、和暦は平成二十八年となり、月日は十を用います。

参考:
ビジネス向け移転案内状の例文と作成時の注意点

文章における表記の統一については、出版社や出版物、企業によってルールに違いがあります。

会社案内やパンフレット等、商業印刷を行う際は、まずは社内でルールを確認しましょう。

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