2024年9月27日
マニュアルの作り方とは?おさえておきたい6つのステップ
目次 ▼
この記事を読むのに必要な時間は約 5 分です。
業務マニュアルを作成する際には、情報整理や原稿作成だけでなく、
・制作メンバーの決定
・納期やスケジュールの調整
・関連部署との連携
など、さまざまな準備が欠かせません。膨大な作業の中で抜け漏れを防ぐためにも、最初に全体整理し、完成までの計画を立てていくことが重要です。
では、具体的に何から始めればよいのでしょうか?
ここでは、業務マニュアルの作り方をご紹介いたします。
マニュアルの作り方①基本仕様を決める
まずは、マニュアルの目的や仕様を明確にするところからスタートします。
1.目的・対象
マニュアル作成にあたり、最初に確認しておきたいのが対象(ターゲット)です。
新入社員向けか管理職向けか、アルバイト向けか正社員向けかなど、対象となる人の属性を明確にしましょう。対象によって理解できる内容や掲載できる内容が変わってくるため、例えば新入社員を対象とする場合は、専門知識がないことを前提として、用語の解説から記載する必要があります。
対象が明確になると、求められるスキルや習熟度も見えてくるため、マニュアルの骨子も決めやすくなります。
2.記載範囲
対象が明確になったら、マニュアルに記載する情報量や範囲を決めていきます。前提知識があることを想定するのか、詳細な情報をどこまで含めるかなど、対象の属性や習熟度に応じて適切な記載範囲を設定しましょう。
なお、改訂版を作成する場合は、前回の改定日や内容によって改訂範囲が異なるため、改訂履歴をよく確認することが重要です。
3.運用方法
マニュアルを紙媒体で配布するか、デジタル媒体で運用するかも事前に検討する必要があります。
紙媒体の場合は、サイズや印刷形式、共有方法、デジタル媒体の場合はデータ形式やセキュリティ対応などについても考慮しましょう。更新や改訂の容易さを意識して運用方法を決めることが重要です。
4.制作スケジュール・納期
マニュアルの仕様やボリューム、外部委託の有無などをもとに、納期と制作スケジュールを決めていきます。
関連部署のチェックや上長の承認が必要な場合、予想外に時間がかかることも考えられます。イレギュラーな事態が発生することを想定して、余裕を持ったスケジュールを組むようにしましょう。
マニュアルの作り方②業務の全体像を把握し、情報を整理する
マニュアルの基本仕様が決まったら、続いては業務の全体像を把握し、必要な情報を整理していきます。実際にはマニュアルに含めない内容であっても、業務全体を理解しておくことで、マニュアル化する情報が整理されやすくなります。
業務全体のアウトラインが把握できたら、時系列に沿っておおまかな業務フロー図を作成しておくと、概要がつかみやすく、後のステップがスムーズになります。
マニュアルの作り方③構成案を作成する
手順②で作成した業務フロー図に沿って、マニュアルに記載すべき内容をリストアップし、階層化していきます。マニュアルの骨組みにもなる重要な部分です。
各ステップの業務内容や関係者を可視化することで、誰にどのようなヒアリングをすればよいかといった必要な情報も見えてきます。
目次のベースにもなるため、抜け漏れのないように、注意事項や用語の説明、イレギュラー対応なども、この時点で洗い出しておきましょう。
マニュアルの作り方④ヒアリングシートを作成する
整理した業務内容をもとに、誰に何をヒアリングするか、項目をまとめたヒアリングシートを作成します。写真撮影が必要な場合も、この段階で段取りをしておきましょう。
業務の流れやオペレーション、注意事項、イレギュラー対応など、カテゴリごとに質問を整理しておくことで、効率的なヒアリングが可能になります。
▼ヒアリングの流れとヒアリング項目については、以下の記事も参考にしてください。
マニュアルの作り方⑤ヒアリングを行う
作成したヒアリングシートをもとに、関係者へのヒアリングを実施します。
実務担当者だけでなく、上長やアルバイトなど、さまざまな視点からヒアリングすることで、業務の全貌を客観的に把握しやすくなるでしょう。ヒアリングを行う際は、業務のノウハウや工夫、具体的な経験も共有してもらうと、より実践的なマニュアルが作成できます。
また、ヒアリング対象者には、事前に業務内容についておおまかにメモしておいてもらったり、業務フローを振り返ったりしてもらうとよいでしょう。さらに、人によって作業方法にばらつきがあったり、責任者と現場で作業方針に相違がある場合は、事前にすり合わせをしてもらうとスムーズです。
マニュアルの作り方⑥原稿を作成する
ヒアリング内容や構成案に基づき、原稿を作成します。文章だけでなく、写真や図を用いることで、実際の業務がイメージしやすくなり、業務内容をよりわかりやすく伝えることができます。また、見出しや箇条書きなど、視覚的に整理されたレイアウトを心がけると、読み手の理解が深まるでしょう。
完成した原稿は、必ず関係者にレビューを依頼することが重要です。また、その業務に関する知識がない人でもマニュアルを理解できるかどうか、第三者に読んでもらうのも一つの方法です。
まとめ
今回は、業務マニュアルの作成手順についてご紹介しました。
マニュアル作成には多くの時間と労力がかかりますが、完成後の利便性や業務効率の向上に大きく寄与します。マニュアルの作成過程で新たな業務課題が見つかることも多く、属人的なノウハウを共有することで、さらなる業務改善も期待できるでしょう。
業務マニュアルは、新入社員だけでなく、中堅社員や管理職にとっても重要なツールです。作成の際は、内容の抜け漏れやスケジュールの遅延がないよう、計画的に進めていきましょう。