2023年11月27日
校正と校閲の違いとは?ミスを減らすための4つのポイント
目次 ▼
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読みやすく、正確な文章を作成するために必要な「校正」と「校閲」。
どちらもよく似た言葉ですが、それぞれどのような意味を持ち、どのように違うのでしょうか。
今回は、「校正」と「校閲」の意味の違いと、ミスを減らすためのポイントについてご紹介いたします。
校正とは
校正とは、主に以下の役割があります。
1.原稿が正しくレイアウトされているかを確認すること
2.指示した赤字が正しく修正されているかを確認すること
3.誤字・脱字・表記ゆれなど、文字の誤りがないかを確認し、修正すること
基本的には、原稿と初校、初校と再校などを照らし合わせ、原稿のとおり配置されているか、また、赤字が正しく修正されているか確認する作業のことを指します。
加えて、誤字・脱字などの確認や表記統一、「てにをは」など文法上の間違いを訂正することも「校正」の役割となります。
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校閲とは
校閲とは、主に以下の役割があります。
1.日本語として誤りがないかを確認すること
2.書かれている内容が正しいかどうか事実確認を行うこと
3.表現が適切かどうかを確認すること
校閲は文章を深く読み込み、事実と異なる部分がないか、固有名詞などに誤りがないか、文章内で矛盾が生じていないかなどを、ときには別の資料を参照しながら細かくチェックすることを指します。コンプライアンスチェックも校閲の役割に含まれています。
校正と校閲の違い
「校正」と「校閲」は文章に間違いがないかを確認し修正するという点では同じですが、確認すべき観点と確認方法が異なります。
校正は表記上の誤りや制作過程で発生した誤りをチェックすることを指し、文章の内容には踏み込まないのに対し、校閲は文章を読み込んだうえで内容の誤りや表現を正すことを指しています。
確認すべきポイント | 確認方法 | |
校正 | 表記上の誤り 制作過程で発生した誤り | 素読み |
校閲 | 内容の誤り、事実確認、 コンプライアンス | 文章を読み込む 別の資料を参照する |
校正・校閲・推敲・査読の違い
「校正」と「校閲」のほかにも、混同しやすい言葉に「推敲」「査読」があります。
どの言葉も文章をチェックするという意味では同じですが、「校正」や「校閲」は誰がチェックするのかは問わないのに対し、「推敲」は執筆者自身が文章を書きながら内容をチェックしたり読み返すことを指し、「査読」は学会などで専門家が内容をチェックし、論文の掲載可否を検討することを指しています。
「誰が」「どの観点で」「何を」チェックするのかが異なっていると言えるでしょう。
校正・校閲でミスを減らすポイント
1.間違いがある前提でチェックする
どんな文章でも間違いは発生してしまうものです。人間の脳は誤りがあっても頭の中で都合よく解釈してしまう性質があり、「合っているはずだ」という思い込みが間違いの見落としにつながります。初めから間違いがある前提で臨むとよいでしょう。
校閲においても、当たり前だと思っていた事実関係が調べたら実は違っていた、というケースも少なくありません。常に疑いの目でチェックするようにしましょう。
2.紙でチェックする
PC画面で校正・校閲を行っていると、スクロール時や画面切り替え時などに見落としが生まれやすくなってしまいます。PCで作成した文章であっても、プリントアウトして紙でチェックするようにしましょう。
紙のほうが俯瞰的に見ることができるうえ、原稿を見比べる際にも視線移動が少なく比較しやすいというメリットがあります。
3.ダブルチェックを行う
一人で校正・校閲をしていると、どうしても見落としが生まれてしまうことがあります。より精度を上げるためにはダブルチェックがおすすめです。
複数人の目が入ることによって、見落としていた誤りが見つかったり、第三者視点の気づきが得られることもあります。
4.時間をあけてチェックを行う
執筆者自身が校正・校閲を行う場合には、少し時間を空けてからチェックするようにしましょう。
書いた直後にチェックすると、客観的に見ることができず、思い込みや油断から間違いを見つけにくくなってしまいます。別の作業を行ったり、時間の間隔をあけることで思考が切り替えられ、第三者視点で見ることができるようになります。
まとめ
今回は「校正」と「校閲」の違いと、ミスを減らすためのポイントについてご紹介しました。
どんなにいい文章であっても、誤字脱字があったり、事実と異なる内容が書かれていたら読者からの信用は得られません。校正や校閲は時間のかかる作業ではありますが、手を抜かずに丁寧にチェックすることが大切です。
「校正」や「校閲」は制作会社や媒体によって定義が異なるケースもありますので、独自のチェックリストを作成するのもミスを減らすために効果的と言えます。ぜひ参考にしてみてください。