2025年11月19日

校正と校閲の違いとは?ミスを減らすための4つのポイント

校正と校閲の違い

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読みやすく正確な文章を作成するうえで欠かせないのが「校正」と「校閲」です。どちらもよく似た言葉ですが、実際には意味や役割が異なります。

今回は、「校正」と「校閲」の意味の違いと、ミスを防ぐためのポイントをわかりやすくご紹介します。

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校正とは

校正には、主に次のような役割があります。

1.原稿が正しくレイアウトされているかを確認する
2.指示した赤字が正しく反映されているかを確認する
3.誤字・脱字・表記ゆれなど、文字の誤りを見つけて修正する

基本的には、原稿と初校、初校と再校といった形で照らし合わせ、原稿のとおり配置されているか、修正指示が正しく反映されているかを確認する作業です。

また、誤字・脱字や表記統一、文法上の誤り(「てにをは」など)を正すことも「校正」の重要な役割となります。

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校閲とは

校閲には、主に次のような役割があります。

1.日本語として誤りがないかを確認する
2.内容に誤りがないか、事実関係を調べる
3.表現が適切かどうかを確認する

校閲は、文章を深く読み込み、固有名詞や数値、事実関係の誤り、文中の矛盾などを細かく確認する作業です。必要に応じて資料を参照したり、コンプライアンスチェックも行います。

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校正と校閲の違い

「校正」と「校閲」はどちらも文章の間違いを防ぐ作業ですが、チェックの観点と方法が異なります。

校正では文字や表記、制作工程で生じたミスを確認し、内容には踏み込まないのに対して、校閲は文章を読み込んだうえで意味や事実関係、表現の妥当性を細かく確認します。

確認すべきポイント確認方法
校正表記の誤り
制作工程で発生した誤り
素読み ・突き合わせ
校閲内容の誤り、事実確認、
コンプライアンス
文章を読み込む
別の資料を参照する

▼「素読み」や「突き合わせ」などの校正用語については、以下の記事で詳しく解説しています。

校正・校閲・推敲・査読の違い

「校正」と「校閲」のほかにも、混同しやすい言葉に「推敲」「査読」があります。

どの言葉も「文章を確認する」という点では同じですが、「校正」や「校閲」は誰が確認するのかは問わないのに対し、「推敲」は執筆者自身が文章を書きながら内容を確認することを指し、「査読」は学会などで専門家が内容を確認し、論文の掲載可否を検討することを指します。

つまり、「誰が」「何を」「どの視点で」チェックするのかが異なっていると言えます。

  • 推敲:執筆者自身が内容を見直し、よりよい文章に整えること
  • 査読:学会などで専門家が論文の内容を審査し掲載可否を検討すること
  • 校正:表記の誤りやレイアウトのミスを確認すること(誰が行うかは問わない)
  • 校閲:内容の正確性や表現の妥当性を確認すること(誰が行うかは問わない)

校正・校閲でミスを減らすポイント

1.間違いがある前提でチェックする

どんな文章でも間違いは発生してしまうものです。人間の脳は誤りがあっても頭の中で都合よく解釈してしまう性質があり、「合っているはずだ」という思い込みが間違いの見落としにつながります。校正・校閲では、最初から「ミスがある前提」で臨むことが効果的です。

校閲では、常識だと思っていたことが調べると実は間違っていた――というケースも少なくありません。常に疑いの目でチェックするようにしましょう。

2.紙に印刷してチェックする

画面上での校正・校閲は、スクロールや画面切り替えの影響で見落としが発生しやすくなります。PCで作成した文章であっても、プリントアウトして紙でチェックするのがおすすめです。

紙のほうが全体を俯瞰しやすく、原稿を見比べる際にも視線移動が少なく比較しやすいというメリットがあります。マーカーなどで印をつけながら確認することも可能です。

3.ダブルチェックを行う

一人で校正・校閲を行うと、どうしても見落としが発生することがあります。より精度を上げるためには、二人以上でチェックするのがおすすめです。

複数人の目が入ることによって、見落としていた誤りが見つかったり、第三者視点の気づきが得られることもあるでしょう。

4.時間をあけて見直す

執筆者自身が校正・校閲を行う場合には、書いた直後ではなく時間をおいてから確認しましょう。

書いた直後にチェックすると、客観的に見ることができず、思い込みや油断から間違いを見つけにくくなってしまいます。別の作業を行ったり、時間の間隔をあけることで思考が切り替えられ、客観的な視点で文章を見ることができます。

▼誤字脱字が起こる原因とチェック時のポイントは、以下の記事で詳しく解説しています。

まとめ

今回は「校正」と「校閲」の違いや、ミスを減らすためのポイントをご紹介しました。

どれだけ内容が優れていても、誤字脱字があったり、事実と異なる内容が書かれていたら読者からの信頼は得られません。校正や校閲は時間のかかる作業ではありますが、丁寧にチェックすることが品質向上につながります。

また、「校正」や「校閲」の定義や担当範囲は、制作会社や媒体によって異なることもあります。独自のチェックリストを作成しておくと、ミス防止により効果的です。ぜひ参考にしてみてください。

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