2026年1月30日
文章の読みやすさを決める3つの要素、可読性・視認性・判読性とは?
目次 ▼
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私たちは普段からスマートフォン、新聞、雑誌、看板、商品のパッケージなど、さまざまな場面で文字を目にし、その文字を読むことで情報を取得しています。
しかし、文字を目にしたときに「なんだか読みにくい」「何と書いてあるのか判断できない」「内容が頭に入ってこない」と感じた経験はありませんか?
文字の読みやすさは、「可読性」「視認性」「判読性」という3つの要素によって成り立っています。これらはそれぞれ異なる役割を持ち、読み手の理解度にも大きく影響します。
では、この3つの要素にはどのような違いがあり、文章を書く際にはどのような点に注意すればよいのでしょうか。
今回は、文字を読みやすくするための基本要素となる「可読性」「視認性」「判読性」について解説します。

可読性とは
可読性とは、文字や文章の読みやすさのことです。
長文を読んでも疲れにくいかどうか、素早く正確に読み取れるかどうかといった点が重要になります。
可読性を高めるポイント①漢字とひらがなのバランス
一般的に、画数が多く複雑な漢字よりも、ひらがなの方が読みやすいとされています。漢字を多用すると文章に圧迫感が生まれ、長時間読むことで疲れやすくなる原因にもなります。
(例)繋がり
つながり
ただし、ひらがなばかりの文章も注意が必要です。単語の区切りがわかりにくくなり、かえって読みづらくなってしまう場合があります。難しい漢字はひらがなに置き換えたり、漢字が連続する部分では一部をひらがなにするなど、バランスを意識した使い分けが必要です。
(例)ぜんたいのつながりがひじょうにたいせつだということにきづきます。
全体のつながりが非常に大切だということに気付きます 。
▼漢字とひらがなの使い分けについては以下の記事で詳しくご紹介しています。
可読性を高めるポイント②行間・余白
1行あたりの文字数が多すぎたり、行間や余白が狭かったりすると、どれだけ内容やフォントが整っていても、読みづらく感じてしまいます。
文字サイズやフォントだけでなく、文章全体の見た目や空間の使い方にも気を配りましょう。全体を俯瞰し、読み手がストレスなく読み進められるレイアウトを意識することが重要です。


可読性を高めるポイント③句読点
句読点とは、文の区切りや終わりを示すための記号で、「。」を句点、「、」を読点と呼びます。
句読点は、文章の構造を読み手にわかりやすく伝え、文全体の流れやリズムを整えるための重要な要素です。適切に使えば、文章をスムーズに読み進めることができますが、使い方が不適切だと、リズムが崩れて読みにくくなることがあります。
読点を入れる位置に迷ったときは、実際に文章を声に出して読んでみましょう。息継ぎしたくなる箇所に読点を入れることで、自然なリズムが生まれ、読みやすい文章になります。
また、読点を使って文の区切りを明確にすることは有効ですが、文章自体が長くなりすぎている場合は、まず句点を使って一文を短くすることを意識することが大切です。
(例)× 今日は、会議の資料を、作成するために、朝から、オフィスで、作業をしていました。
○ 今日は会議の資料を作成するために、朝からオフィスで作業をしていました。
さらに、句読点の位置によっては、文章の意味の受け取り方が変わることもあります。そのため、句読点を適切に使うことは、読みやすさを高めるだけでなく、誤読を防ぎ、判読性を高める助けにもなります。
(例)×私は音楽を聴きながら勉強している友達に話しかけた。
○私は、音楽を聴きながら勉強している友達に話しかけた。
○私は音楽を聴きながら、勉強している友達に話しかけた。
▼句読点の使い方の具体的なポイントは、以下の記事で詳しくご紹介しています。
視認性とは
視認性とは、視覚的な認識のしやすさを指します。
ぱっと見たときに文字が目に入りやすいか、瞬時に認識できるかどうかが重要になります。
視認性を高めるポイント①文字の色
例えば、緑の背景に青い文字、白い背景に黄色の文字などは、文字が背景に埋もれてしまい、何と書いてあるのか判読が難しくなりますよね。このような状態は視認性が低いと言えます。
背景が暗い場合は文字を明るく、背景が明るい場合は文字を濃い色にするなど、十分なコントラストを確保することで、視認性は大きく向上します。

視認性を高めるポイント②文字のサイズ・太さ
文字が小さすぎたり細すぎたりすると、何と書いてあるのか判別しにくく、印刷物ではかすれてしまう原因にもなります。反対に、文字が太すぎると線がつぶれて読みにくくなってしまうこともあります。
一般的には、Webサイトの本文は16px前後、A4サイズの印刷物では10~18pt程度が最適な文字サイズとされています。ただし、最適なサイズは読み手や媒体によっても異なります。用途や対象に応じて、サイズや太さを調整するようにしましょう。
視認性を高めるポイント③フォント
代表的なフォントには、ゴシック体と明朝体があります。ゴシック体は線の太さが均一で、明朝体に比べて視認性が高く、力強い印象を与えるのが特徴です。そのため、見出しやキャッチコピーなど、大きく目立たせたい場面に適しています。
一方、明朝体は縦線が太く横線が細いという特徴があり、文字の形に抑揚が生まれます。長文でも読みやすく、可読性の高いフォントと言えるでしょう。

判読性とは
判読性とは、文字や文章のわかりやすさのことです。
他の文字と区別しやすいかどうか、誤解なく正しく読み取れるかどうかといった点が重要になります。
判読性を高めるポイント①アルファベットや数字
「O(アルファベットのオー)」と「0(数字のゼロ)」
「I(大文字のアイ)」と「l(小文字のエル)」
など、形が似ている文字は、読み間違いが起こりやすい代表例です。
こうした区別のつきにくい文字には、読み仮名をふったり、UD(ユニバーサルデザイン)フォントを使用したりすることで、判読性を高めることができます。
また、文字サイズが小さすぎると、「3」と「8」、「C」と「O」、「゛(濁点)」と「゜(半濁点)」なども読み間違えが発生しやすくなるため、サイズ設定にも注意が必要です。
▼UDフォントについては以下の記事で詳しくご紹介しています。
判読性を高めるポイント②文章の内容
判読性は、文字の形だけでなく、文章の内容にも大きく左右されます。例えば、専門用語が多すぎたり、横文字ばかりの文章は、初めて読む人にとって理解のハードルが高くなります。わかりやすい言葉に言い換えたり、補足説明を加えたりするなど、読み手に配慮した文章を書くようにしましょう。
また、曖昧な表現や複数の意味に取れる言い回しは、誤解を生む原因になります。できるだけ具体的で明確な表現を心がけることも、判読性の向上につながります。
まとめ
今回は、文字の読みやすさを構成する「可読性」「視認性」「判読性」について解説しました。
どれほど優れた文章やデザインであっても、読み手に正しく伝わらなければ意味がありません。少し工夫するだけで、可読性・視認性・判読性は大きく改善できます。
また、重視すべき要素は、用途や対象によっても異なります。
・報告書や読み物:可読性(読みやすさ)
・チラシやポスター:視認性(認識のしやすさ)
・マニュアルや取扱説明書:判読性(誤読の少なさ)
誰に向けて、何を伝えたいのかを念頭に置きながら、可読性・視認性・判読性を意識した文章やレイアウトを心がけましょう。
