2026年1月19日
引き継ぎマニュアルの作成方法とは?記載すべき6項目と引き継ぎの進め方
目次 ▼
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なぜ引き継ぎマニュアルが必要?
異動や転勤、退職が決まると、業務の引き継ぎが必要になります。その際、スムーズかつ正確に業務を引き継ぐために欠かせないのが「引き継ぎマニュアル」です。
口頭だけで引き継ぎを行うと、伝え漏れや聞き間違い、認識のズレが生じやすく、必要な情報が正確に共有されない恐れがあります。その結果、業務品質の低下やミスの発生、対応の遅れなどにつながるケースも少なくありません。
引き継ぎマニュアルを作成しておけば、業務内容や進め方を文書として整理できるため、後任者は業務全体を把握しやすくなり、業務品質の維持、ミスの防止、顧客からの信頼獲得が期待できます。
また、前任者が異動・退職した後でも、マニュアルを参照することで業務を滞りなく進めやすくなり、属人化の防止や組織全体の安定化にも寄与します。
すでに業務マニュアルが整備されている場合でも、それとは別に「引き継ぎ書」を用意することで、抜け漏れのないより正確な引き継ぎが可能になります。引き継ぎ書には、作業途中の業務内容や対応中の案件、関連部署・取引先の担当者情報など、前任者しか知らない情報を整理して記載するとよいでしょう。
本記事では、引き継ぎマニュアルの作成手順や記載すべき項目、そして引き継ぎの進め方について詳しく解説します。

引き継ぎマニュアルの作り方
引き継ぎマニュアルを作成する際は、一般的な業務マニュアルと同様に、まず「どこまでの業務を記載するか」という範囲を明確にすることが重要です。
引き継ぎマニュアルには、業務内容や作業手順だけでなく、現在の進行状況や作業途中の業務、今後のスケジュールなども含めて整理します。特に、後任者が「今、何から着手すればよいのか」を判断できる状態にすることがポイントです。
具体的には、以下のような項目を整理して記載するとよいでしょう。
・業務の全体像、スケジュール
・業務内容、作業手順
・作業途中の業務や対応中の案件
・トラブル発生時の対処法、注意事項
・関連部署の連絡先
・取引先の情報、連絡先
ここからは、それぞれの項目について詳しく解説していきます。
▼業務マニュアルの作成手順については、以下の記事もあわせてご覧ください。
引き継ぎマニュアルに記載する項目
1.業務の全体像とスケジュール
まずは、担当業務の全体像とスケジュールを整理します。業務を時系列順に並べたり、内容ごとに分類したりすると、後任者が理解しやすくなります。特に、年間・月間・週間といった単位で業務を洗い出す方法は、業務の流れを把握しやすく、タスク漏れの防止にも効果的です。
年間スケジュール
部署や業務内容によっては、「毎年○月に実施する業務」が決まっているケースもあります。年間スケジュールを一覧化することで、業務全体の流れや現在の進捗を把握しやすくなり、「今後どのような業務が発生するのか」「いつ頃から準備すべきか」といった見通しが立てやすくなります。
年間スケジュールには、以下のような項目を記載するとよいでしょう。
・業務名(タスク)
・業務内容
・納期、締め切り
矢印やタイムライン、画院とチャート形式でまとめると、視覚的にも理解しやすくなります。時系列で整理する方法のか、カテゴリ別にまとめる方法も有効です。

▼以下の記事では年間計画表のテンプレートを紹介していますので、あわせて参考にしてみてください。
月間スケジュール
毎月定期的に行う業務については、月間スケジュールとして整理します。年間スケジュールよりも詳しく、納期や具体的な作業内容、関連書類、関連部署などを記載すると、後任者が実務を進めやすくなります。

週間スケジュール
曜日ごとに行う業務や、週初・週末に実施するルーティン作業がある場合は、週間スケジュールとしてまとめましょう。日々の業務が一目で把握でき、タスクの抜け漏れ防止につながります。
また、1日の中で決まった作業がある場合は、日次スケジュールとしてさらに細かく整理するのも効果的です。Excelのテンプレートやスケジュール管理ツールを活用すると、効率的に作成することができます。
▶参考:行程管理表 (業務・スケジュール) – 無料テンプレート公開中 – 楽しもう Office

▼以下の記事ではガントチャートツールを紹介していますので、あわせて参考にしてみてください。
2.業務内容・作業手順
スケジュールで洗い出した業務について、具体的な作業内容や手順を整理します。この際、前任者が経験の中で培ったコツや注意点があれば、積極的に記載しておきましょう。
すでに業務マニュアルや操作マニュアルが存在する場合は、それらの参照先や保管場所を必ず明記します。ログインIDやパスワードなどの重要情報については、社内ルールに沿った管理のうえ、必要に応じて記載してください。
3.作業途中の業務や対応中の案件
在職中に完了できなかった業務や対応中の案件がある場合は、口頭だけでなく、必ず引き継ぎマニュアルにも記載します。
特に、以下のポイントを明確にしておくことで、後任者が迷わず対応できます。
・現在の進捗状況
・次に行うべき作業内容と優先度
・完了期限
・関係者、関連部署
・関連資料や議事録
4.トラブル発生時の対処法
引き継ぎ直後は、想定外のトラブルが起きやすい時期でもあります。後任者が落ち着いて対応できるよう、過去に発生したトラブルや対処方法をまとめておきましょう。
・過去に発生したトラブルの内容
・対処方法、手順
・連絡すべき部署や担当者
・注意点や再発防止策
あわせて、今後起こりうるトラブルについても、想定されるケースをまとめておくとトラブル回避に役立ちます。
5.関連部署の連絡先
どの部署がどの業務に関わっているか、誰に連絡をとればよいのかなどがわかるように、業務に関わる関連部署や担当者の連絡先を一覧にしておきましょう。
いざというときにスムーズに連絡が取れるよう、担当者名やメールアドレス、電話番号をまとめておくと後任者の不安軽減にもつながります。
6.取引先の情報と連絡先
取引先の基本情報や担当者の連絡先、取引内容も重要な引き継ぎ項目です。取引先への引き継ぎ挨拶も忘れずに行いましょう。CRA(顧客関係管理システム)やSFA(営業支援システム)などのツールを活用して管理するのも有効です。

引き継ぎの流れ
ここからは、実際の引き継ぎの進め方について解説します。
1.引き継ぎスケジュールの策定
まずは、引き継ぎの開始時期と完了期限を設定します。業務量や関係者の多さによっては、想定以上に時間がかかることもあるため、余裕をもったスケジュールを組むことが重要です。
スケジュールを明確にすることで、引き継ぎマニュアルの作成期間も見えてきます。
2.引き継ぎマニュアルの作成
スケジュールが決まったら、引き継ぎマニュアルを作成します。
「誰が読んでも理解できること」を意識し、目次や見出しを工夫して、必要な情報にすぐアクセスできる構成にしましょう。
後任者が決まっている場合は、経験やスキルに応じて用語解説や補足説明を加えると効果的です。短期間で業務を理解できるよう、図や写真を取り入れ、視覚的に理解しやすい構成を意識しましょう。
▼マニュアルの作成方法については、以下の記事で詳しく解説しています。
3.後任者への引き継ぎ
引き継ぎマニュアルが完成したら、後任者へ引き継ぎを行います。
このとき、マニュアルを渡すだけでなく、内容を読み合わせながら補足説明を行い、疑問点をその場で解消できる時間を設けましょう。引き継ぐ資料がある場合は、このタイミングで一緒に渡しておくとスムーズです。
可能であれば、後任者に実際の業務を行ってもらい、マニュアルの不足点やわかりにくい部分を確認・修正すると、より確実な引き継ぎが実現します。
まとめ
今回は、引き継ぎマニュアルの作成方法や記載項目、そして実際の引き継ぎの進め方についてご紹介しました。
限られた時間の中で、通常業務と並行して引き継ぎマニュアルを作成するのは負担が大きいものですが、引き継ぎは前任者にとって最後の重要な業務でもあります。
適切な引き継ぎが行われることで、業務品質の維持やミスの防止につながり、後任者も安心して業務に取り組むことができます。引き継ぎマニュアルを活用し、組織として安定した業務遂行を目指しましょう。





