2025年3月5日

営業マニュアルの作り方とは?効果的に活用する4つのポイント

この記事を読むのに必要な時間は約 6 分です。

営業活動においては、コミュニケーション能力、ヒアリング力、商品知識など、さまざまなスキルや情報が求められます。

しかし、これらの営業スキルは個人の経験に依存しやすく、業界や企業ごとに営業プロセスや顧客特性も異なるため、業務の属人化が起こりがちです。

そこで活用したいのが営業マニュアルです。営業に必要なノウハウを体系的にまとめることで、経験の浅い営業員でも即戦力として業務を行うことができ、営業チーム全体のスキル向上や属人化の解消が期待できます。

そこで今回は、営業マニュアルの作成方法とそのポイントについてご紹介いたします。

マニュアル作成や取扱説明書の作成ならマニュアル制作.com

営業マニュアルの作成手順

1.目的・対象を明確にする

営業マニュアルの作成に取り掛かる前に、まずは営業マニュアルを作成する目的と対象者を明確にしましょう。

例えば、「新入社員の研修用」「引き継ぎ業務の円滑化」などの目的や対象者が明確になると、「業務の背景から丁寧に解説する」「専門用語の使用は避ける」といった具体的な内容や記載範囲がおのずと固まってきます。

また、目的や対象が明確になれば、制作スケジュールや運用方法も決めやすくなります。

例えば、「新入社員向けマニュアルのため、新年度までに完成させる」「研修で使用するため、PowerPoint形式で作成する」というように、目的や対象とあわせてスケジュールや運用方法、作成形式なども事前に決めておきましょう。

目的や対象者が不明確なまま進めてしまうと、不要な情報が増えたり、内容が伝わりにくくなったりする可能性があります。まずは目的と対象を明確にし、チーム全員で共有しておくことが望ましいです。

2.業務の洗い出し・整理

目的と対象が決まったら、それにあわせて営業マニュアルに必要な業務を洗い出していきます。まずは見出しレベルで情報をリストアップし、時系列に沿って必要な業務を挙げていくと、抜け漏れを防ぎやすくなります。

業界や企業によって異なりますが、営業マニュアルは業務内容や作業手順のほかに、以下のような情報を記載するケースが一般的です。

営業マニュアルに掲載する内容
①導入・はじめに
②営業活動における方針やビジョン
③自社の商品・サービスに関する情報
④営業に必要な基本的な知識やスキル
⑤営業活動の手順と業務内容
⑥顧客への対応方法・トークスクリプト
⑦顧客情報の管理方法
⑧トラブル・クレームへの対応方法

引用: 営業マニュアルに必要な8つの項目とは?目次テンプレートをご紹介

業務を洗い出したらカテゴリ分けや細分化をし、マニュアルに載せる情報を整理していきましょう。

▼マニュアルに記載すべき内容については、以下の記事で詳しくご紹介しています。

3.ヒアリング・情報収集

マニュアル化する業務を洗い出したら、具体的な業務内容や作業手順などの情報を集めます。既存の資料を活用したり、他部署や営業員へのヒアリングを実施しましょう。

特に、ベテラン営業員や成績のよい営業員からのヒアリングは、実践的なノウハウやコツを得られる絶好の機会です。こうした情報をマニュアルに取り入れることで、営業チーム全体のスキルアップにつながります。

また、可能であれば複数人からヒアリングをすると、情報の抜け漏れを防ぐことができます。

4.原稿作成

収集した情報をもとに、マニュアルの原稿を作成します。
原稿作成時は、以下のようなポイントを意識しましょう。

・初めに決めた目的と対象者を意識する
・図や写真を活用し、視覚的にわかりやすくする
・長文になりすぎないように、見出しを細分化したり箇条書きを使う

作成後は、実際にマニュアルを使用する営業員に確認してもらい、抜けている箇所がないか、わかりにくい表現がないかなどをチェックしてもらいましょう。

問題がなければ、マニュアルを運用する媒体に落とし込んでいきます。テンプレートやフォーマットを活用するのも一つの方法です。

▼以下の記事では無料のマニュアルテンプレートをご紹介しています。

5.配布・運用開始

マニュアルが完成したら、対象者に共有し運用を開始します。

マニュアルの共有方法としては、印刷して配布する、データを共有する、社内のイントラネットに格納する、などがありますが、営業マニュアルには機密情報が含まれているケースも多いため、「ローカル環境には保存しない」「パスワードを設定する」などのセキュリティ対策を講じることが重要です。

また、運用していく中で不備や改善点が見つかることもあります。定期的にメンテナンスの機会を設け、最新の情報を反映することで、より実践的なマニュアルを維持しましょう。

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効果的に運用するポイント

1.困ったときにすぐに参照できるようにする

マニュアルは、掲載する情報量が多くなればなるほど、必要な情報が見つけにくくなります。スムーズに参照できるよう、目次や索引を整備し、知りたい情報に素早くアクセスできるようにしましょう。一目で内容がわかる具体的な見出しを付けたり、重要なポイントを強調したりするだけでも効果的です。

さらに、社内の情報だけでなく、営業活動に役立つ経済知識や業界動向、ビジネス用語なども記載しておくと、「困ったときはマニュアルを見れば解決できる」という意識が根付き、マニュアルの活用度と信頼性が高まります。

2.営業ツールとしても活用できるようにする

営業マニュアルには、トークスクリプトやビジネスマナー、業務手順のほか、自社のセールスポイントや競合比較など、商品に関する情報も記載することが一般的です。

これらの商品知識に関する部分を、顧客向けの営業資料や販促ツールとしても活用できるようにしておけば、新たに営業ツールを作成する手間が省け、一石二鳥です。

もちろん、顧客向けに表現を調整したり加筆修正したりする必要はありますが、WordやPowerPointなどでマニュアルを作成しておくと、柔軟に編集やアレンジがしやすくなります。

3.最新の情報を反映させる

マニュアルを作成しても、内容が古くなれば活用されなくなってしまいます。定期的に更新を行い、新商品や新サービスなどの情報も素早くマニュアルに反映できる体制を整えましょう。

また、マニュアルの改訂ルールを事前に決めておくことも重要です。適切なタイミングで見直しができるよう、更新スケジュールや担当者を明確にしておくとよいでしょう。

▼マニュアルを改訂するタイミングや改訂方法については、以下の記事で詳しくご紹介しています。

4.効果測定を行う

マニュアルは一度作って終わりではなく、実際に現場で活用されているか、改善の余地がないかを定期的に検証することが重要です。

営業マニュアル導入後の効果や不備など、現場からのフィードバックを収集し、必要に応じて修正や改訂を行いましょう。効果測定を継続することで、より実践的で使いやすいマニュアルへと進化していきます。

まとめ

今回は、営業マニュアルの作り方と作成時のポイントについてご紹介しました。

営業マニュアルを活用することで、営業ノウハウがチーム全体に蓄積・共有され、個々のスキル向上や業務の属人化解消にもつながります。

マニュアル化したい営業管理の項目についても、以下の記事で解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

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