2023年4月13日
営業マニュアルの作り方とは?作成時の4つのポイント
目次 ▼
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営業活動においては、コミュニケーション能力やヒアリング力、商品知識など、さまざまなスキルや情報が必要となります。
しかし、それらの営業スキルは営業員個人の経験値に依存しやすく、業界や企業ごとに営業のプロセスや顧客の属性も異なるため、業務が属人化してしまいがちです。
そこで活用したいのが営業マニュアルです。営業に必要なノウハウを共有することができるため、経験の浅い営業員でも即戦力として業務を行うことができ、営業員全体のレベルアップや属人化の解消も期待できます。
そこで今回は、営業マニュアルの作り方と作成時のポイントについてご紹介いたします。
営業マニュアルの作り方
1.目的・対象を明確にする
営業マニュアルの作成に取り掛かる前に、まずは営業マニュアルを作成する目的と対象者を明確にしましょう。
「新入社員の研修のため」「引き継ぎをスムーズにするため」などの目的や対象者が明確になると、「業務の背景から解説する」「専門用語の使用は避ける」といった営業マニュアルに記載する範囲や重点的に解説すべき部分もおのずと固まってきます。
また、目的や対象を決めると制作スケジュールや運用方法も決めやすくなります。
「新入社員向けのマニュアルだから新年度までに完成させる」「研修で使用するからPowerPoint形式にしよう」というように、目的や対象とあわせてスケジュールや運用方法、制作形式なども、マニュアル作成前に決めておきましょう。
目的や対象者を定めないままマニュアル作成を進めてしまうと、不要な情報を盛り込んでしまったり、内容が伝わりにくくなってしまう可能性があります。まずはじめに目的と対象者を明確にし、マニュアル制作担当者全員で共有しておくことが望ましいです。
2.業務の洗い出し・整理
営業マニュアルの目的と対象が決まったら、①で固めた記載範囲をもとに、必要な業務を洗い出していきます。まずは見出しレベルで情報をリストアップするとよいでしょう。時系列に沿って必要な業務を挙げていくと抜け漏れを防ぎやすくなります。
業界や企業によって異なりますが、営業マニュアルは業務内容や作業手順のほかに以下のような情報を記載するケースが多いです。
営業マニュアルに掲載する内容
引用: 営業マニュアルに必要な8つの項目とは?目次テンプレートをご紹介
①導入・はじめに
②営業活動における方針やビジョン
③自社の商品・サービスに関する情報
④営業に必要な基本的な知識やスキル
⑤営業活動の手順と業務内容
⑥顧客への対応方法・トークスクリプト
⑦顧客情報の管理方法
⑧トラブル・クレームへの対応方法
業務を洗い出したらカテゴリ分けや細分化をし、マニュアルに載せる情報を整理していきましょう。
▼マニュアルに記載すべき内容については以下の記事で詳しくご紹介しています。
3.ヒアリング・情報収集
マニュアル化する業務を洗い出したら、具体的な業務内容や作業手順など、マニュアルに掲載する情報を集めていきます。
ベースとなる資料があればそれを参考にしたり、他部署や営業員にヒアリングを行っていきます。
ヒアリングをする場合は、一人だけでなく複数人からヒアリングするようにしましょう。ベテランの営業員や成績のよい営業員からもヒアリングすると、ノウハウやコツなどを聞くことができるかもしれません。ノウハウを共有することで営業員全体のスキルアップにつながります。
4.原稿作成
③で集めた情報をもとにマニュアルの原稿を作成していきます。
原稿を作成する際は、初めに決めた目的と対象者を意識するようにしましょう。文字だけで伝わりにくい内容は図や写真を使用するのも効果的です。説明文が長くなりそうな場合には、細かく見出しを分けたり箇条書きを用いるなどして、内容が視覚的に理解しやすいようにします。
原稿を作成したら、マニュアルの使用者に一度確認してもらい、抜けている箇所がないかどうか、わかりにくい表現がないかどうかチェックしてもらいましょう。
原稿に問題がなければ、運用する媒体に落とし込んでいきます。テンプレートやフォーマットを活用するのも一つの方法です。
5.配布・運用開始
営業マニュアルが完成したら、対象者にマニュアルを共有し運用を開始します。
マニュアルの共有方法としては、印刷して配布する、データを配布する、社内のイントラネットに格納するなどさまざまな方法がありますが、営業マニュアルには社外秘の情報が含まれているケースも多いため、「ローカル環境には保存しない」「パスワードをかける」などの共有ルールを決め、情報の扱い方やセキュリティには細心の注意を払いましょう。
また、運用していく中でマニュアルの不備や改善点が見つかることもあります。定期的にメンテナンスの機会を設け、常に新しい情報がマニュアルに反映されている状態にすることが望ましいです。
営業マニュアル作成時のポイント
1.困ったときにすぐに参照できるようにする
マニュアルは掲載する範囲が広くなればなるほど、必要な情報を見つけにくくなります。目次の整備や索引の作成など、マニュアルを参照したときに知りたい情報がすぐに見つけられるようにしましょう。
何が記載されているか一目でわかるような具体的な見出しをつけたり、重要な部分は目立つように強調するだけでも効果的です。
また、社内の情報だけでなく、営業活動をするにあたって必要な経済知識や業界動向、ビジネス用語なども記載しておくと、「困ったときはマニュアルを見ればよい」という意識になるため、マニュアルに対する利用度と信頼度も高まるでしょう。
2.営業ツールとしても使用できるようにする
営業マニュアルにはトークスクリプトやビジネスマナー、業務手順のほかにも、自社のセールスポイントや他社との比較など、商品知識に関する内容も記載することが多いです。
そのため、マニュアル内の商品知識に関する部分を顧客向けの営業資料や販促ツールとして活用できるようにしておくと、新たに営業ツールを作成する手間も省けて一石二鳥です。
顧客向けに多少表現を変えたり加筆修正する必要はあるかと思いますが、WordやPowerPointなどで営業マニュアルを作成しておけば、編集やアレンジもしやすくなるでしょう。
3.最新の情報を反映させる
マニュアルは一度作成してそのままにしてしまうと、そこから情報がどんどん古くなり、形骸化してしまう恐れがあります。定期的にアップデートし、新商品や新サービスなどの情報も素早くマニュアルに反映できるようにしましょう。
マニュアルの改訂や更新はあらかじめルールを決めておくことが大切です。マニュアルの改訂については以下の記事も参考にしてみてください。
4.効果測定を行う
マニュアルは一度作って終わりではありません。営業マニュアル導入後の効果や不備など、現場からのフィードバックをもらうようにしましょう。
修正点や改善点があれば見直し、情報の更新とあわせて定期的に改訂を行います。
まとめ
今回は、営業マニュアルの作り方と作成時のポイントについてご紹介しました。
営業マニュアルを作成し、経験やノウハウを蓄積・共有することで営業員のレベルアップや属人化の解消につながります。マニュアル化したい営業管理の項目についても以下の記事でご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。